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【WTT女子ファイナルズ】Wみゆうペア、王曼昱/孫穎莎を追い詰めるも銀メダル

●女子ダブルス決勝
王曼昱/孫穎莎(中国) 10、−8、4、10 木原美悠/長﨑美柚(日本)

木原美悠/長﨑美柚の「Wみゆう」ペア、21年世界女王の王曼昱と23年世界女王の孫穎莎、新旧の世界女王ペアを追い詰めるも、惜しくも銀メダル……!

1ゲーム目の出足から、5−1、7−4とリードを奪った木原/長﨑。長﨑が最大の武器であるチキータを封印し、フォアでレシーブしてきたのに中国ペアが戸惑った感もあった。しかし、7−7に追いつかれ、8−8から8−10とゲームポイントを握られる。ここでラリーから木原のスマッシュが決まり、10−10に追いつくも、最後は10−11から孫穎莎にサービスエースを奪われて10−12。1ゲーム目を落とす。

試合の序盤、長﨑(手前)はチキータを封印し、フォアでのレシーブで勝負した

1ゲーム目を落としたとはいえ、2ゲーム目も木原/長﨑は中国ペアに一歩も引けを取らない。木原のバック表ソフトの変化と相手を大きく動かすブロック、長﨑のバックのカウンターが決まって8−4。ここも8−8まで追いつかれるも、10−8のゲームポイントで長いラリーから木原が鮮やかなフォアスマッシュを決め、ゲームカウント1−1のタイに戻す。

2ゲーム目の10−8、木原のしゃがみ込みながらのフォアスマッシュが、がら空きの中国ペアのフォアサイドを駆け抜けた

中国ペアを片方のサイドに寄せ、がら空きになったスペースを木原が打ち抜く。王曼昱/孫穎莎を破った2019年のITTFワールドツアー・グランドファイナルを彷彿とさせるプレーだった。

3ゲーム目は序盤は4−4まで競り合ったが、ここから中国ペアがまるでホームのような応援団の声援を背に7点連取。4−11でこのゲームを落とす。

ラリー戦での粘り強さと、チャンスメイクからの果敢な攻撃が光った王曼昱(左)/孫穎莎

後がない4ゲーム目、木原/長﨑は中盤で孫穎莎にフォアストレートのフォア強打を立て続けに決められ、5−8のビハインド。しかし、敗色濃厚なこの場面から、木原のバックカウンターなどで10−8と逆転する。

場内のボルテージは最高潮に達したが、中国ペアが3点連取で10−11とゲームポイントを奪い返し、最後は勝負をかけた長﨑の3球目フォアフリックがわずかにコートを外れ、熱戦に終止符が打たれた。

地元の中国ファンだけでなく、中国からの「インバウンド応援団」の歓声が会場にこだまする。名古屋なのに、アウェイのような雰囲気でもあった。その中で「Wみゆう」は随所に素晴らしいプレーを見せ、会場を何度も沸かせた。次の対戦でも必ずや勝利のチャンスは訪れるだろう。以下は試合後のふたりのコメント。

決勝後、ミックスゾーンでコメントする木原/長﨑

●木原美悠
「日本開催で決勝の舞台に立てたのは嬉しい。ふたりとも調子は良かったけど、相手の実力に少し及ばなかった。3試合戦うことができ、最初から自分たちのやれないことも勇気を出してやれた大会でした。

(決勝で対戦した)孫選手と王選手は個人の力では私たちより上だけど、コンビネーションでは私たちのほうが上だと思います。中国ペアは競った場面で粘り強い。そこで1本取れない私たちとの粘り強さの差が出た」

●長﨑美柚
「決勝のプレーの内容はすごく良かったけど、あと1本返せていれば。もう少しレベルアップしなければならないし、まだ練習するところはたくさんある。4年前に勝っていたペアに負けたので、次の大会でリベンジしたい。

私のチキータは一番の武器ですが、それはどの国の選手にも知られているので、あえてチキータを使わない選択をした。最初は良い形に持っていけたけど、ラリーでの1本の粘り強さ、チャンスメイクが相手はうまかった」

女子ダブルス表彰の様子。プレゼンターは日本卓球協会の河田正也会長(左端)、ITTFの前原正浩副会長(右端)が務めた

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