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惜敗、張本美和はアジア卓球選手権準優勝。大藤沙月/横井咲桜が女子複で日本勢初V!

第27回ITTFアジア卓球選手権(10.7〜13/カザフスタン・アスタナ)の女子シングルス決勝、初優勝をかけてパリ五輪混合複銀メダリストのキム・クムヨン(朝鮮民主主義人民共和国)に挑んだ張本美和は、1−3で敗れて銀メダル。続く男子シングルス決勝を制した兄・智和との「兄妹V」には惜しくも届かなかった。

また、女子ダブルスで大藤沙月/横井咲桜が張本美和/木原美悠との日本勢対決を制して優勝。こちらは現行のアジア卓球選手権が1972年にスタートして以来、日本勢で初優勝の快挙となった。大会最終日の女子種目の結果は下記のとおり。

〈女子シングルス〉●決勝
キム・クムヨン(朝鮮民主主義人民共和国) −6、6、10、6 張本美和

〈女子ダブルス〉●準決勝
大藤沙月/横井咲桜 10、11、9 陳幸同/蒯曼(中国)
張本美和/木原美悠 4、9、9 A.ムケルジ/S.ムケルジ(インド)
●決勝
大藤沙月/横井咲桜 12、9、−8、−8、0 張本美和/木原美悠

左シェーク・バック粒高のキム・クムヨンに対し、1ゲーム目にバックへロングサービスと深く速いツッツキを集め、鋭いフォアドライブで狙い打って11−6と先制した張本。初優勝に向けて視界良好だった。

武器である深く速いツッツキから、フォアドライブで先手を取った張本(PHOTO:ATTU)

しかし、2ゲーム目以降、キム・クムヨンはバックの粒高面から下回転系のショートに加え、ツッツキに対する上回転になるプッシュ、フラットに弾き打つバックハンドという3種類の打法を巧みに使い分けてきた。そして少しでもチャンスがあれば、回り込んで左腕独特のシュートするカウンタードライブで攻撃。粒高での攻守からフォアカウンターへの展開は鍛え抜かれていた。

バック粒高の攻守から、精度の高いフォアカウンターを繰り出したキム・クムヨン(PHOTO:ATTU)

勝負の大きなポイントは3ゲーム目。張本が4−1とリードしながら5−5に追いつかれ、シーソーゲームの展開から10−9で張本がゲームポイント。ここで深いツッツキからの張本のフォアドライブが痛いオーバーミスとなり、10−12でキム・クムヨンが逆転。要所で異質型に多いネットインやエッジもつき、張本にとっては苦しい戦いとなる。

4ゲーム目も中盤までは競り合ったが、キム・クムヨンの粒高の変化に、最後は張本の両ハンドのミスが多くなった。キム・クムヨンの10−6のチャンピオンシップポイントで、張本のフォアドライブがネットを越えず。両者の実力は互角だったが、序盤の団体戦から個人戦3種目を戦い抜いてきた張本、さすがに体力的にも厳しかったか。それでも最後まで全力を尽くした。団体戦でチームを優勝に導き、シングルスでも陳幸同(中国)らを破って準優勝。今大会で得た経験値は計り知れない。

女子シングルス表彰、左から準優勝の張本美和、優勝のキム・クムヨン、3位の杜凱琹(香港)、伊藤美誠

表彰式後に初々しい表情を見せるキム・クムヨン。北朝鮮勢の女子シングルス優勝は史上初(PHOTO:ATTU)

女子ダブルス決勝の日本ペア対決は、1ゲーム目からジュースが続くハイレベルな打撃戦。大藤/横井の2ゲーム連取から、張本/木原が2ゲームを取り返して追いついたが、最終ゲームは意外にも一方的な展開となった。

サービスが少しでもあまければレシーブから攻撃を仕掛け、打球点の高い両ハンドドライブでコートのどこからでも攻撃できる大藤/横井。日本勢にアジア選手権初の女子ダブルスタイトルをもたらすと同時に、世界トップクラスのその実力を十二分にアピールした。

現行のアジア選手権(1972年以降)で、日本に初の女子ダブルスのタイトルをもたらした大藤沙月(右)/横井咲桜(PHOTO:ATTU)

女子ダブルス表彰の様子。日本勢が金・銀を独占(PHOTO:ATTU)

張本美和(右)/木原美悠は決勝で0-2から追いつくも、準優勝(PHOTO:ATTU)

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