大会2日目のWTT女子ファイナルズ、夜のセッション4で女子シングルス準々決勝、女子ダブルス準々決勝が行われた。結果は下記のとおり。
●女子シングルス準々決勝
陳夢(中国) 8、2、6 伊藤美誠(日本)
●女子シングルス準々決勝
孫穎莎(中国) 12、4、7 ハン・イン(ドイツ)
準決勝進出を狙った伊藤は陳夢に敗れた。1ゲーム目の出足は陳夢を置き去りにするような両ハンド速攻を見せたが、中盤で陳夢が逆転。伊藤のピッチの早い連続攻撃にも、陳夢のボールは常に1本多く返ってくる。2ゲーム目は陳夢が3−0、7−1と一気にリード。ラリーが長引くと不利になると、伊藤が厳しい体勢から強打するとミスが増える、苦しい試合内容になる。
3ゲーム目も出足で陳夢が5−1と突き放す。陳のサービス、レシーブが厳しく、攻める機会がないままラリーが終わる展開。伊藤も9−6まで挽回したが、11−6で陳夢がストレート勝ち。2ゲーム目以降の陳夢のプレーは自信に満ちていた。
試合後のミックスゾーンでは涙を浮かべながらも、「1ゲーム目を取られてから陳夢選手が淡々と試合をやってきた。1ゲーム目のような戦いがこれからもできれば少しずつ可能性が出てくると感じました」と語った伊藤。体調不良に苦しむ中、「全日本に向けて体調管理に気をつけて試合に臨みたい。しっかり楽しんでやれるように練習をしていきたい」とかすれた声を振り絞るようにコメントした。
裏ソフト全盛の時代に表ソフトでの多彩なテクニックで真っ向勝負を挑み、体格差をものともせず、中国の壁に何度も風穴を開けてきた伊藤。挑戦と進化の卓球人生、このままでは終われない。終わってほしくない。
そして女子シングルス準々決勝の最後の一戦は、孫穎莎が粘るハン・インをストレートで押し切った。陳幸同、王芸迪に続いて陳夢、孫穎莎とやはり中国女子が4強を独占した。ハン・インは孫穎莎の執拗なミドル攻めにも粘り強く対応し、フォアクロスに打ち抜くカウンターを随所に見せて会場を沸かせたが、孫穎莎は最後まで崩れなかった。
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