昨日11月6日に、ITTF(国際卓球連盟)は「12月4日から行われるITTF混合団体ワールドカップ(中国・成都市)での成績に個人のランキングポイントを与える」とITTF理事会で承認したと発表した。
そもそもこの大会は8月25日に唐突に発表。しかも、年内12月のビッグイベントに向けて時間的な余裕はなく、男女の選手による、混合ダブルス、男女シングルス、男女ダブルスで構成するという変則的な競技方式だった。かつ世界ランキングがつかないために一部のトップ選手は参戦しないことも伝えられていた。
日本選手もタイトなスケジュールの中に10日間の中国への遠征を組み込むのも困難だった。協会が打診しても選手のほうが参戦を辞退したために、10月25日に日本卓球協会が大会にエントリーしない旨をITTFに伝え、主管する中国卓球協会がTリーグへ派遣している中国選手を一斉に引き上げるという事態に発展していた。
つまり、そもそもITTFと日本卓球協会の問題だったのが、中国対日本の問題にすり替わってしまった。その時点で、日本国内からも中国に対する批判はもちろん、「世界ランキングと関係ないとはいえ、ITTFイベントであるワールドカップを協会が辞退するのはおかしい」という意見も上がってきた。
その後、日本卓球協会と中国卓球協会との間で、中国選手の日本Tリーグ参戦禁止は解除され、今回、急きょITTFは「混合団体ワールドカップにランキングを与える」という決定がなされた。世界ランキングのワーキンググループは他の世界イベントでの団体戦にもランキングを付与する仕組みを作ることを表明している。
ランキングポイントを与えるようになったのは、日本以外にもエントリーしない協会が出てきからではという憶測が流れている。エントリーの締切が終わっているが、日本は一転エントリーする方向に動いているが認められるかどうかはまだわからない。
●思いつきのように準備期間が短い中、ITTF混合団体を作り、開催しようとして、急きょ付け焼き刃のように世界ランキングをチーム戦に盛り込もうとするITTF。しかもダブルスがメインのITTF混合団体W杯にどういうポイントを付けるのか
●主管団体とは言え、ITTFイベントと関係ないTリーグ参戦の選手を引き揚げさせた中国卓球協会。抜いた刀を鞘に納めた形で、参戦禁止をすぐに解除した不可解な結末
●ITTFイベントであるにも関わらず、欠場をいったん決めた日本卓球協会と、ワールドイベントの意義を説明し、選手たちを説得しきれなかった強化本部。エントリーの連絡から決定まで時間が短かすぎたという事情があっても、大会は8月下旬には発表されていたが、大会の競技内容や拘束期間は10月9日のITTFの情報公開まで知らされていなかった
WTTを含めて、大会スケジュールが固定されず、現在の世界の卓球界、国際大会をカオス(混乱)と表現する関係者は多い。
雨降って地が固まるのか。さらに雨が振り続け世界卓球界が泥沼状態になるのか、誰も予測することはできない。
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