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【卓球】松平健太、ティバーと契約。バタフライへの感謝と「これからティバーを有名にします」

4月1日にティバーと契約した松平健太

 

一番最後に使ったラバーがすごく

良かったので、「これだったら

バタフライと同等」と感じて、

「これならティバーに行ける」と思い、

GCから条件を聞きました

 

ーー用具に関して、何にこだわっていたのだろう。
松平 ラバーの重量もそうですが、ぼくの好きなラバーの表面や状態も微妙に違うので、毎回自分で選んでいました。ただし普通の選手は気にしないものだったと思います。ラケットでも軟らかめの打球感のものを選んでいました。

ーー1月の全日本選手権の成績も良かっただけに、メーカーを移る場合、条件は重要ですが、まだ選手を続けるわけだから用具も大事な要素になりますね。
松平 ぼくはラバーが自分に合わなければ契約を変えるつもりはなかった。ぼくの中では「ティバーはラバーが良い」というイメージが勝手にあって、ぼくのほうからGC(・フォースター/ティバーアジア地区ゼネラルマネージャー)に連絡して、彼も関心があると言ってくれました。その時からぼくは「ラバーが良くなかったら(ティバーには)行かない」と彼に言っていて、ラバーが使えないないなら条件をいくら話をしていても時間も無駄になるし、意味がないので、(金銭面などの)条件の話し合いは一番最後にしました。ラバーが良くないとティバーには行かないので試打をしてラバーが使えるかどうかという結果で決めようと思いました。
それでGCがドイツに行って、いろいろなラバーを選んでくれて、一番最後に使ったラバーがすごく良かったので、「これだったらバタフライと同等」と感じて、「これならティバーに行ける」と思い、彼から条件を聞きました。

ーー全日本で決勝まで進み、成績が良かったとは言え、年齢的、キャリア的なことを考えると大きな挑戦であり、転機とも言えます。
松平 全日本前に具体的な話はしていないけど、自分も変化したいと思っていました。全日本で成績を出したからティバーに移ったわけではなりません。

ーー日本選手はメーカーを変えないケースも多く、契約を外れてもバタフライの用具を使い続ける選手もいます。これから現役でプレーする時間も多いとは言えない中で、将来、何をしたいのでしょう。
松平 ティバーはまだまだ日本で有名ではない。日本の卓球愛好者みんなが知っているようなメーカーにするのが、ぼくがまずティバーのためにできることだし、それはぼくが試合で活躍することで知らしめることができます。加えて、YouTubeや講習会でティバーを広めていくことがぼくの役目になります。
GCとも話をして、社員ではないけれど、ティバーファミリーとして、選手としてのキャリアが終わってもティバーとして活動したいと思っています。日本の一番のメーカーにするという目標のために試合で頑張り、活動していきたい。

ーー用具にこだわった松平選手が、用具の開発や卓球用品の開発でティバーに貢献し、講習会、Youtubeなどの宣伝活動や卓球の普及活動で貢献していくのですね。
松平 ラバーやラケットの開発にもたずさわると思うし、現在、良いラバーであることが認知されていないので、良いラバーであることをわかってもらう必要があるし、そこからティバーを変えていきたい。GCと一緒により良いプロモーション、ブランド作りをしていきたいですね。

ーー日本でまだ知られていないブランドに飛びこんでいく不安は?
松平 ないですね。逆にワクワクしています。タマスをやめて他のブランドに行くことで心配されたり、「ティバーってどこのブランドなの?」「使える用具があるの、大丈夫なの?」と思われていました。まずはぼくを通してティバーを知ってもらって、そのうえで愛好者にも用具を使ってほしいですね。

ーータマスでは契約選手であっても、第2列や第3列だったけど、今度はティバーの第1列に行きます。それも移る理由ですか?
松平 いや、そういう欲はなくて、自分は用具にこだわっている分、自分も開発や良いラバーを作る自信があるので、そういう新たな挑戦や仕事、開発に関わりたいのです。タマスでも試打はしたけど、ティバーのほうがより開発に関係できるように思います。4月からバック面は[ハイブリッドK3]になります。問題ないです。フォア面はすでに試打したラバーが非常に良かったので、その新しいラバーがたぶん発売されると思うので、そのラバーを使うことになります。
タマスには言葉では言い尽くせないほどお世話になり、感謝しかありません。17年間、バタフライのウエアしか着たことがないし、他のウエアを着ることはなかった。卓球選手はラケットとラバーが勝敗に大きく関係することで、そこをガラッと変えるのは決断も難しかった。良いラバーがティバーにはあったので自分が頑張るだけです。
まだ始まったばかりですが、これからはティバーとともに歩み、卓球界にさらに貢献していきます。

 

[ティバーとは]

本社はドイツの西部、ザールブリュッケンにあり、ブランドの創始者はハンガリー生まれのユーゴスラビア人、ティボー・ハランゴゾ(Tibor Harangozo)。彼のファーストネームとファミリーネームを合体させ、53年前の1969年にTIBHARというブランドが作られた。

ハランゴゾは卓球のセミナーを開催し、有名な選手を育てた。ティバーはもともと会社名ではなく、このセミナーの名称だった。ハランゴゾは選手としても有名で、旧ユーゴスラビア、オーストリア、ドイツ、フランスなどのコーチを歴任した。ハランゴゾは英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語など12の言語を操った。

1974年にハランゴゾに誘われて入ったのは前社長のエルウィン・ベルグで、1978年にハランゴゾが急逝したのちに社長になった。会社立ち上げの頃から、「選手のニーズに合った用具を提供する」ことが会社のポリシーで、現社長のローランド・ベルグでもその姿勢は変わっていない。またジュニア時代に出会ったサムソノフと生涯契約を結ぶなど選手との家族的な関係も有名な会社だ。

ヨーロッパの卓球界では老舗のブランドとして有名で、会社を訪れるとドイツ語はもちろんだが、英語、フランス語、東欧の言語などが飛び交っているグローバルな卓球メーカーである。

 

●松平健太のYouTubeチャンネル

https://youtu.be/F8z0WsjkB8k

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