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IOC理事会での歴史的な決定。混合団体が追加される6競技に選ばれた卓球

4月9日にスイス・ローザンヌで行われたIOC(国際オリンピック委員会)の理事会。2028年ロサンゼルス五輪の追加競技、実施種目の選考が議論された中、卓球が混合団体が追加される6競技のひとつに選ばれた。

さらに2004年アテネ五輪まで行われていた男女ダブルスも復活。2028年ロサンゼルス五輪では、男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルス・混合団体の6種目が行われ、卓球競技の金メダル数はパリ五輪での「5」から「6」へと増えた。

ジェンダーの平等という理念のもと、男女混合の種目や女子種目をオリンピックに追加してきたIOC。卓球でも東京2020オリンピックから混合ダブルスが追加され、水谷隼/伊藤美誠が初代金メダリストになるという快挙を成し遂げた。

ITTF(国際卓球連盟)も2023年から中国・成都で混合団体ワールドカップを開催。それは明確にオリンピックでの混合団体の追加に向けたアピールだった。IOC委員でもあるITTFのペトラ・ゾーイング会長はロサンゼルス五輪での混合団体の追加について、「パリ五輪での卓球の大成功に続き、ロサンゼルス五輪での混合団体の導入は新たな歴史の節目となり、卓球のダイナミックでインクルーシブ(包括的)な未来という私たちのビジョンに完全に合致するものです」とコメントを発表している。

 

開催種目から男女団体がなくなり、男女ダブルスが復活したのは出場枠の制限が理由だと考えられる。IOCは開催地への負担が増えないよう、夏季オリンピックの出場選手数について「10,500人」を上限としている。ロサンゼルス五輪ではこの10,500人の内訳が「女子5,333人・男子5,167人」と設定され、初めて女子が男子を上回ることが話題となっているが、卓球についても現在の「男女とも1カ国3名まで」という出場枠は変わらないだろう。

何はともあれ、金メダルの総数が増えたことが卓球競技にとって追い風となることは間違いない。一方で、各国のオリンピックに向けた強化も大きな見直しを迫られることになり、卓球界に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。

※上写真は2024年パリ五輪での張本智和/早田ひなの混合ダブルス(提供:ITTF)

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