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世界卓球ドーハ大会、女子シングルスのドロー。世界6位の張本美和、3回戦で難敵との大一番

ITTF世界卓球選手権ファイナルズ・ドーハ大会(個人戦/5月17〜25日)の女子シングルスに出場する日本女子5名は、世界ランキング6位の張本美和(木下グループ)を筆頭に、7位の早田ひな(日本生命)、8位の大藤沙月(ミキハウス)、9位の伊藤美誠(スターツ)、18位の平野美宇(木下グループ)という顔ぶれだ。

5選手中4選手がトップ10圏内で、ランキング5番手の平野美宇も18位という「史上最強」と言える布陣だが、一方で中国が第1〜4シード(孫穎莎・王曼昱・陳幸同、王芸迪)を独占したことで、組み合わせのうえでは中国選手に勝たなければメダル獲得はない。前回(23年)のダーバン大会・準々決勝で、王芸迪の9回のマッチポイントをしのいでメダル獲得を決めた早田のように、「中国超え」でメダルを勝ち取りたい。
女子シングルス1回戦の各選手の対戦相手は下記のとおり(世界ランキング順)。

●女子シングルス1回戦
張本美和 vs. ペソツカ(ウクライナ)
早田ひな vs. ディアコヌ(ルーマニア)
大藤沙月 vs. ヴェガ(チリ)
伊藤美誠 vs. ブルゴス(プエルトリコ)
平野美宇 vs. デヌッテ(ルクセンブルク)

まず、世界ランキング最上位の張本美和は、初戦でヨーロッパ選手権で準優勝2回のペソツカと当たり、第2シードの王曼昱と準々決勝で当たるブロックに入った。4月の女子ワールドカップで対戦し、ゲームオール10ー12で惜しくも敗れた激闘のリベンジマッチとなる。
ただし、その前には難敵が待っている。3回戦で当たるのが、24年アジア選手権決勝で敗れているキム・クムヨン(朝鮮民主主義人民共和国)。左シェークフォア裏ソフト・バック粒高で、高い守備力と変化ブロック、鋭いカウンターを駆使する。世界ランキングこそ57位だが、トップ10クラスの力がある選手だ。非常に対策の立てにくい相手だが、この難関を突破したい。

世界卓球個人戦は初出場の張本美和。全力でメダルへと突き進む(写真:ITTF)

昨年のパリ五輪の混合複銀メダリスト、アジア選手権女王のキム・クムヨン(写真:カザフスタン卓球協会)

早田は第3シードの陳幸同のブロックだが、4回戦まで勝ち上がると石洵瑶(中国)と当たる組み合わせ。同年代の孫穎莎や王曼昱が世界で活躍する中、ユースの年代で経験を積んでジワリ、ジワリと頭角を現した苦労人。中国勢の中ではやや攻めが遅く、戦いやすい相手なので、しっかり勝利したい。

早田は前回のダーバン大会に続くメダル獲得を狙う(写真:ITTF)

石洵瑶は22歳で初の世界選手権出場

大藤は初戦でチリのベテラン、左腕のヴェガとの「21歳差対決」。そして4回戦まで勝ち上がると、平野美宇と当たる組み合わせだ。平野は3回戦でカットのベテラン徐孝元(韓国)と当たるが、ここは問題なく勝ち上がるだろう。かつては平野が大藤を得意としていたが、昨年のWTTチャンピオンズ・モンペリエでは大藤がストレート勝ち。そのまま頂点へと駆け上がり、一気に世界のトップ10へと上り詰めた。この4回戦を制し、準々決勝で世界女王・孫穎莎に挑むのはどちらの選手か。孫穎莎も初戦となる2回戦では、ピョン・ソンギョン(朝鮮民主主義人民共和国)の挑戦を受ける。

昨年、一気にブレイクした大藤。初出場の世界選手権でもメダルに期待(写真:ITTF)

Tリーグでも大活躍した平野美宇。8年ぶりのシングルスのメダルに挑戦

最後に、2021年東京五輪の女子シングルス銅メダリスト・伊藤美誠は、日本勢にとっては最も相性の良い王芸迪のブロック。伊藤は順当に勝ち上がると3回戦で右シェーク・バック粒高のアクラ(インド)と当たるが、変化タイプには滅法強い。33歳となった今も抜群のフィジカルで勝利を重ねる鄭怡静(チャイニーズタイペイ)との対戦が予想される4回戦が、ひとつのヤマ場となる。

伊藤美誠、世界選手権で初のシングルスのメダル獲得なるか(写真:ITTF)

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