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公開練習での選手たちの声。「3種目とも金メダルが目標。やっぱり自分は金メダルが欲しい」(張本美和)

本日、5月7日に行われた世界選手権ドーハ大会(個人戦)の日本代表の公開練習。選手たちは練習に汗を流した後、男女チームに分かれてメディアの囲み取材に応じた。

世界選手権の個人戦には初出場の張本美和は、開口一番「いやー、すごい緊張しております」とコメントして周囲を和ませた。出場する女子シングルス・ダブルスと混合ダブルスの目標を聞かれ、「3種目とも金メダルを目指して頑張りたい。メダルを獲りたいという目標でもいいんですけど、やっぱり自分は金メダルが欲しいので」と言葉に力をこめた。

「ドローが発表され、皆さんたぶん3回戦(北朝鮮のキム・クムヨン選手と対戦)を見ていると思いますけど、1回戦のペソツカ選手(ウクライナ)もやったことがない選手で、どんな選手なんだろうというのがあります。3回戦の北朝鮮の選手は左腕であまりいない戦型(バック粒高)で、もちろん対策練習も少しはしているんですけど、私は正直1回戦のほうが不安。7ゲームズマッチでもありますし、初戦なのでそちらの準備に多くの時間を費やしています。
ペソツカ選手は右の裏裏で普通のスタイルかもしれないですけど、バックサービスからラリーに強いスタイルだし、そこの対策をまず頑張ってからちょこちょこ粒高対策もしています」(張本美和)

「すごく緊張している」と言いながらも、練習での充実ぶりがうかがえた張本美和

威力だけでなく、緩急もあるチキータは張本の大きな武器

前回の2023年ダーバン大会で、女子シングルス銅メダルを獲得した早田ひなは、「世界選手権という感じがあまりないですね。全日本で優勝しない限り出られない大会で、ほぼ無理かなとあきらめていたところもあったので、こうやって取材を受けているのもちょっと不思議な感覚です」と語った。

「今回は結果がどうであれ、出場できたことを楽しむ大会にしたい。今までで一番結果にこだわっていない大会です。左腕の状態はどんどん良くなっているし、感覚も戻ってきているけど、戻ってきているからこそ現実を突きつけられて逆に難しいところもある。
全日本の時は気持ちとしてはスパッとあきらめられていたけど、今は感覚が戻ってきているからこそ苦しい時間が続いている。そこで焦る必要はないし、できることを見つけ出して自分なりに楽しむことが今回の目標です」(早田)

時折笑顔を見せながら、伊藤との練習で汗を流した早田

2017年大会の女子シングルス銅メダリスト、平野美宇はTリーグのプレーオフファイナル後に休養期間も設け、リフレッシュして練習に臨んでいる様子がうかがえた。
「(4月には)男子JNTの合宿に参加させてもらって10歳年下の選手と練習したり、実業団のチームに行かせてもらったりして、すごく刺激になりました。ドローでは近くにカットの選手(徐孝元・韓国)がいて、今からカット対策ができるのは良い点だと思う。大藤選手も私の上のシードにいるので、まずはそこまで勝ち上がれるよう、1試合ずつ頑張りたい。今は相手に怖さを与えられるよう、『決める力』を高めることをテーマに練習しています」(平野)

休養期間でリフレッシュした平野。練習では以前にも増して集中力が高い

2015年の蘇州大会(個人戦)でデビューして以来、団体・個人合わせて10大会目の世界選手権出場となる伊藤美誠は、そのことを告げられて「すごい、記念ですね」と笑顔。大会の目標については「まだ獲ったことがないシングルスのメダルを獲りたいとずっと口にしてきたし、自分の手で掴み取りたいという気持ちです」と語った。
「NT合宿は昨日からの参加ですが、今日は早田選手と練習させてもらって、やっぱり選手同士だと質の高い練習ができる。まだ世界選手権の試合が始まるまでは長いので、日本でできる準備と現地でできる準備をしっかりやって大会に臨みたい。普段のWTTだと現地に着いて2日練習して試合ですけど、今回は1週間くらい練習期間があるので、体調管理やトレーニングもしっかりやりたい」(伊藤)

女子ワールドカップで3位に入った伊藤も好調ぶりをアピール

世界選手権に団体・個人通じて初出場の大藤沙月は、世界ランキング8位での堂々のデビュー戦となる。「すごく憧れていた舞台なので、そこで3種目に出場できるのは今からとても楽しみ」と語った。
「最近は対策されて勝ちにくくなる中で、入れにいくプレーが増えて自分の調子が崩れてしまっていた。またイチから攻めの卓球に戻そうと思ってやっています。横井選手とのダブルスも自分たちの良い攻めがあまりできていなかったので、しっかり練習をやり込んで金メダルを取れたらいいなと思います」(大藤)

時折、目の覚めるような豪球を放っていた大藤

大藤とペアを組んで、第1シードとして女子ダブルスに出場する横井咲桜も世界選手権は初出場。「まだ実感があまり湧かないし、初めての舞台なのですごい緊張すると思いますけど、大藤選手がいれば緊張も解けて良いプレーができるんじゃないかと感じています」と初々しく語った。
「私と大藤選手の一番の持ち味は、パワフルな連続攻撃なので、そこを貫き通して優勝したい。アジア選手権でも優勝できて、世界選手権では出るペアも変わってくるけど金メダルを目指して戦いたい。メインで使っていたアップ(上回転系)の巻き込みサービスが狙われやすくなっているので、下回転系のサービスからも点が取れるように練習しています」(横井)

世界選手権初代表の横井は、第1シードの女子ダブルスで大藤とともにメダルに挑む

張本美和と女子ダブルスのペアを組む木原美悠は、23年大会は長﨑美柚とのペアで銅メダル。張本美和とのペアでも直近のWTT2大会で優勝するなど、ダブルスでのうまさは健在だ。
「今回の合宿でもダブルスの練習は1日1回、必ず入れるようにしてふたりのコンディションやコンビネーションもどんどん上がってきています。前回は銅メダルなので、もちろんそれ以上の色のメダルを獲得したい。私がチャンスを作って張本選手が決めるのが主なパターンですけど、それだけでは勝てない。私のサービスや張本選手のチキータレシーブなども生かしていけたら良いと思います」(木原)

前回は長﨑とのペアで女子ダブルス銅メダル。木原は2大会連続のメダルを目指す

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