●女子シングルス準々決勝
孫穎莎(中国) -9、8、4、11、5 大藤沙月(日本)
大藤はストレートへのコース取りで孫穎莎を大きく動かしてチャンスを作るなど戦術も光った
初出場の世界選手権で快進撃を見せている大藤沙月。吉村真晴との混合ダブルスでは決勝進出を決め、女子シングルスでは世界ランキング8位の力を見せてベスト8入り。
準々決勝で世界ランキング1位の孫穎莎(中国)に挑んで1ゲーム目を先制したが、2ゲーム目から孫穎莎が大藤の両ハンド攻撃を狙い打つなどギアを上げると、競り合いながらも要所で押し切られて1-4で敗れ、目標としていたメダル獲得はならなかった。
それでも中国を除くトップ選手のほとんどが孫穎莎のパワフルな両ハンドドライブの防戦一方になってしまう中、大藤は孫穎莎を上回る両ハンド強打で得点を重ねるシーンも多く、繊細なボールタッチを生かした台上でのストップレシーブで孫穎莎の強打を防ぎ、打たれてもブロックでコースをついて逆襲のきっかけを作るなど、そのプレーからは潜在能力の高さをうかがわさせた。
冷静な試合運びと闘志あるプレーで孫穎莎に挑んだ大藤
孫穎莎は先に大藤に全力でプレーさせて、それを上回るプレーでねじ伏せた
惜しまれるのはゲームカウント1-2で迎えた4ゲーム目。バック対バックで再び孫穎莎を上回り、5-1とリードした大藤。そこから8-5、9-6とリードを保ったが9-10と逆転されてしまう。この場面でサービスから3球目を豪快なバックドライブで得点してジュースに追いついたが、最後は11-13で敗れた。
「4ゲーム目を5-1でリードしていて、このゲームを絶対に取らないと行けなかったけれど、何をしても孫穎莎選手はミスをしてくれないんじゃないかという圧を感じて、自分にミスが出てしまった」と試合後の大藤。早田ひな、伊藤美誠、平野美宇の黄金世代よりも3学年下の21歳の大藤。初出場の世界選手権で得た経験を生かし、さらなる飛躍を誓った。
坂本竜介コーチとのコンビはまだ始まったばかり。今後の活躍が楽しみだ
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