カタール・ドーハで行われている世界卓球選手権・個人戦は大会6日目。昨日、張本智和との同士討ちを制した戸上隼輔がヨルジッチとの4回戦に臨み、フルゲームジュースの末に勝利して準々決勝に進出した。
●男子シングルス4回戦
戸上隼輔 -9、9、-9、4、-1、10、10 ヨルジッチ(スロベニア)
ドイツ・ブンデスリーガなどでも何度も対戦している戸上とヨルジッチ。1ゲーム目は9-9まで競り合ったが、ヨルジッチがバックハンドで連続得点を奪ってゲームを先取。2ゲーム目も接戦となり、9-9までもつれる。今度は戸上が3球目フォアドライブで10-9として、最後はサービスエースで得点。ゲームカウントを1-1のタイに戻した。
3ゲーム目もなかなか点差が離れずに試合が進み7-7。ここから戸上がレシーブで2本得点を奪って9-7とリードするもヨルジッチが4連続得点で逆転。再びヨルジッチがゲームをリードする。それでも戸上は気落ちすることなくサービスから得点を重ねて4ゲーム目は11-4で奪取。交互にゲームを奪い合い、試合はクロスゲームの様相を呈していく。
なんとかゲームを連取したい戸上だが、5ゲーム目はヨルジッチが0-0から5連続得点でスタート。戸上はややレシーブで苦しんだ感があり、1-5からも6連続失点。ヨルジッチが勝利にあと1ゲームに迫った。
6ゲーム目、ヨルジッチが5-3とリードした場面で戸上がタイムアウト。ヨルジッチに9-10でマッチポイントを握られたが、ここから打ち合いを制して戸上が逆転。勝負を最終ゲームに持ち込んだ。
最終ゲームはヨルジッチが5-2でチェンジエンド。8-9と戸上が追い上げた場面でヨルジッチがタイムアウトを取るも、次の1本を戸上が奪って9-9。9-10で再びヨルジッチがマッチポイントを握るも痛恨のサービスミス。戸上がこの試合2度目のマッチポイントをしのぐと、そのまま押し切って12-10で決着。敗れれば日本男子は全員がシングルスから姿を消す状況の中、最後に踏ん張った戸上が準々決勝へ駒を進めた。
窮地をしのいでの逆転勝利に戸上が吼える
ブンデスリーガでも戸上に連敗中のヨルジッチ、またも接戦で敗れた
戸上の準々決勝の相手は張禹珍(韓国)vs.モーレゴード(スウェーデン)の勝者。劇的な勝利でベスト8進出を決めた勢いをぶつけて、メダルをつかみたい。
●戸上隼輔・試合後コメント
ヨルジッチ選手とはブンデスリーガでもやっているけど、世界選手権とは雰囲気も違って少しナーバスになってしまった。それでも今年は3度やってすべて3-2で勝てているので、競れば最後は勝つと思って試合をしていた。ベンチの上田(仁)さんからも「絶対に競ると思って試合をしてくれ」と言われていたので、リードしていても準備はできていた。それがあったので、最終ゲームで9-10になっても自分のやるべきことが明確になっていたし、焦ることもなかった。
(次はメダル決定戦だが)まだ試合が終わったわけではないし、ホッとしている暇はない。日本男子としてメダルを獲得できるチャンスがあるので、それを背負って、自分の今後につなげていけるようメダル獲得を目指したい。次の対戦相手(張禹珍orモーレゴード)には勝ったことがないけど、チャレンジャー精神で戦いたい。
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