卓球王国 2021年7月20日 発売 vol.292
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白熱のアジア選手権代表選考合宿、早田ひなと安藤みなみが出場権

アジア選手権日本代表選考合宿は2日目、女子の準々決勝〜決勝が行われ、決勝で早田ひな(日本生命)が安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋)を3−1で破って優勝。優勝した早田、準優勝の安藤がアジア選手権への切符を手にした。決勝トーナメントの主な結果は下記のとおり。

●決勝トーナメント準々決勝
早田ひな(日本生命) 1、−7、15、9 加藤美優(日本ペイントマレッツ)
長﨑美柚(日本生命) 5、9、5 佐藤瞳(ミキハウス)
安藤みなみ(トップおとめピンポンズ名古屋) −5、10、−10、10、4 大藤沙月(四天王寺高)
芝田沙季(ミキハウス) 9、9、−15、5 橋本帆乃香(ミキハウス)
●準決勝
早田ひな 9、8、9 長﨑美柚
安藤みなみ 4、16、7 芝田沙季
●3位決定戦 
長﨑美柚 6、−9、8、11 芝田沙季
●決勝
早田ひな −3、7、9、7 安藤みなみ

優勝した早田の準々決勝からの3試合のスコアは「3−1」「3−0」「3−1」。しかし、決勝後に「ゲームカウントでは昨日より競っていないけど、内容としては今日のほうがレベルが高く、あと1本取れていなかったら厳しかったという場面がすごく多かった」と試合を振り返った早田。準々決勝の加藤戦は3ゲーム目にジュースの連続となり、加藤のサービスと叩き込むスマッシュに苦しめられた。決勝の安藤戦も、台から下げられてスマッシュの連打を浴び、1ゲーム目を3−11で落とす苦しいスタートだった。

しかし、「苦しい場面で『あと1本』をしっかり取り切る力がついてきた。自分の回転やモーションの工夫で、『ここにこういうボールを出したら、ここに返ってくる』というように、勝負所で相手のボールを自分の待ちに誘導できた」とコメントした早田。競った場面でもしっかり両ハンドを振り抜くメンタルの充実も光った。真っ向勝負のプレースタイルにこの勝負強さが加われば鬼に金棒だが、一方でフィジカルへの負担の大きいスタイルだけに、トーナメントを勝ち抜くうえではより失点を少なく、試合時間を短くする工夫も重要だろう。

ミドルへの厳しい攻めも冷静にさばいた早田。しっかりタメを作って懐の深いプレーを見せた

来月に迫った東京五輪では、Pカード(団体戦での代替出場選手)に選出されている早田。「最後まで自分を信じて戦うことができて、結果につながって今回はすごく自信になりました。東京五輪でもいつ試合に出場するかわからない状況なので、少しでも東京五輪までに強くなって、オリンピックメンバーのひとりとして戦っていきたい」と抱負を語った。

優勝の瞬間も小さく拳を固めただけだった早田。あくまでも通過点か

試合中は厳しい表情を崩さなかったが、最後は満面のひなスマイル

一方、準優勝の安藤はトップおとめピンポンズ名古屋の所属となって初めての公式戦。ベンチにはトップおとめピンポンズ名古屋の若宮三紗子監督が入り、異質型が勝ち抜く術を授けた。前陣での両ハンドの安定感が抜群で、フォアを厳しく攻められても前陣でのカウンターブロックで正確に返球し、前陣を死守。相手に粘られても的確にスマッシュで打ち抜いた。

充実の攻守を見せた安藤。若宮監督とともに改良に取り組んだバックハンドが冴えた

●決勝後の安藤みなみのコメント

「ベンチコーチの若宮さんは私と同じ表ソフトを使っていた選手で、試合の1週間ちょっと前からバックハンドの強化をしてきて、打法も少し変えました。ギリギリだったんですけど、今大会ではそれを生かすことができた。
私は練習拠点が定まっていない中で毎日練習しているので、様々なチームでやらせてもらって、周りの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。いろいろなタイプの選手とたくさん練習できたことが、今回の結果につながったと思います」

小柄な体格ながら世界の舞台で活躍した若宮監督(右)の指導は、安藤にとって得るものが大きいようだ

これで9月のアジア選手権の代表は、東京五輪代表の伊藤美誠、石川佳純、平野美宇に早田ひな、安藤みなみを加えた5名が内定。五輪代表で出場を辞退する選手が出た場合は、選考会の順位で代表を決定するため、3位決定戦の長﨑対芝田、5位決定戦の佐藤対大藤なども手に汗握る熱戦が展開された。そしてどの選手からも、久々に実戦の場で技術や戦術を試せるという充実感が伝わってきた。19・20日の男子代表選考会でも好ゲームが期待できそうだ。

3位決定戦も白熱の内容となり、長﨑(手前)が芝田に勝利。「最後は気持ちで勝つことができた」と語った

日本女子チームの馬場美香監督は「多くの選手が課題を持って練習に取り組んでくれている。期待している以上に良いプレーが見られた」とコメント