少し前のニュースになってしまいますが、7月8〜10日、中国チームは集合訓練を行っている山東省威海市で「熱身賽(エキシビションマッチ)」を実施。これが五輪前は最後のエキシビションマッチで、「最後の仕上げ」と言わんばかりに試合方式にも様々な工夫がこらされていた。
最も話題を集めたのは、エキシビションマッチの最後に行われた「男女団体関鍵球対抗賽」。東京五輪代表の男子3名、女子3名による対抗戦で、1・3・5・7ゲーム目は男子選手が「6−8」、2・4・6ゲーム目は「8−9」でリードされた場面からスタート。ゲーム終盤の重要な場面(関鍵球)で、男子選手は逆境を跳ね返し、女子選手はしっかり勝ち切ることが求められる。その試合結果は下記のとおり。
●男女団体関鍵球対抗賽
陳夢 8、−9、−10、9、−9、11、9 樊振東
孫穎莎 −8、8、−9、9、7、−9、6 許シン
馬龍 −9、10、−7、13、9、9 劉詩ウェン
スコアは競り合いながらも、1試合目は陳夢が4−3で樊振東を破り、2試合目は孫穎莎が4−3で許シンに勝利。与えられたハンディキャップはそれほど大きなものではないだけに、改めて中国女子の攻守がいかにハイレベルであるかを思い知らされる。陳夢はバック対バックで樊振東と互角に打ち合い、孫穎莎は許シンのループドライブをカウンターで狙い打つ。
試合が行われているコートの前には、中国男子チームと女子チームがふたつに分かれて陣取り、ナイスプレーには双方のチームが立ち上がって大声援を送った。プレーする選手は真剣だが、他の選手たちにとっては良い息抜きになっただろう。3試合目で馬龍が4−2で勝利し、男子チームが一矢を報いた形となった。
「女子チームの選手にとっては、ゲーム終盤での男子のプレーや、強打と安定性のバランスなどを学ぶことができるだろう。このような団体戦を通じて、チームの結束力や求心力を高めることができるはずだ」。男女チームの間にどっかりと座って、笑顔で試合を見つめていた中国卓球協会の劉国梁会長はそう語っている。
女子チームは陳夢と孫穎莎のふたりが五輪初出場。国際大会でもしばらくプレーしておらず、エキシビションマッチでいかにプレッシャーのある試合を経験させるか、国家チームの首脳陣も知恵を絞っているようだ。男女シングルスや男女ダブルス、混合ダブルスのトピックスも後ほどお伝えします。
●写真提供:『ピンパン世界』
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