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Tリーグ

岡山、魂の逆転。0−2から琉球に劇的勝利!!

岡山リベッツ 32 琉球アスティーダ
1勝0敗/勝ち点3 0勝1敗/勝ち点1

 

1 横山友一 9-11 7-11 荘智淵
森薗政崇 陳建安
2 吉田雅己 9-11 11-5 9-11 4-11 丹羽孝希
3 上田仁 5-11 12-10 11-2 11-5 荘智淵
4 森薗政崇 11-5 11-9 4-11 11-7 松平賢二
5 森薗政崇 11-8 丹羽孝希

男子の開幕戦のもうひと試合、岡山リベッツ対琉球アスティーダは、岡山が0−2から驚異の逆転勝ち!
岡山は全日本学生に出場する吉村和弘が欠場し、ポイントゲッターの李尚洙もチームに合流できず。森薗と横山でダブルスを組み、13年世界選手権優勝ペアの荘智淵/陳建安に挑んだが、0−2で敗れた。琉球は2番丹羽が青森山田中・高の同期生だった吉田に対し、手の内を知られながらも打球点の早いツッツキとチキータのコンビネーションで勝利。前半は完全に琉球ペースの試合だった。
しかし、ここで奮起したのが岡山の頼れるキャプテン上田。1ゲーム目を落としたが、2ゲーム目の11−10であえてフォア寄りからサービスを出し、ミドルに浮いたレシーブにバックドライブを強振。このゲームを奪うと、前陣でのカウンターが当たりに当たって電車道を突っ走った。「0-2で回ってきたけど、みんな良い試合をしてきていたので、男を上げるのはここしかないと思って、精一杯頑張りました」(上田)。
4番森薗は中盤から当たりのついた松平に追い上げられ、迫力満点の打撃戦を展開。観客を沸かせるラリーが何本も展開したが、最後はループドライブの緩急をうまく使って松平を前後に揺さぶった森薗が勝利。試合はTリーグ初の延長戦へもつれ込む。
岡山は4番で勝利した勢いを買って、森薗をそのままコートへ送り出す。一方の琉球はエース丹羽で勝負。序盤は一進一退だったが、やはり動きの良さでは森薗が上。「森薗くんはすごく体が動いていた。ぼくは2番が終わって、気持ちの部分でちょっと落ち着いてしまって、その差が出た。あと森薗くんはぼくのバックにロングサービスを出してきて、非常に思い切りが良くていい戦術だったと思います」と試合後の丹羽。足を使って攻撃に徹した森薗が歓喜の勝利を収めた!
「この試合の前のナショナルチームの合宿で、男子NTの倉嶋監督から『ティモ・ボルの回り込みを勉強しろ』と言われて、回り込みの練習を徹底的にやってきた。5番でその成果が出せて良かった。丹羽さんとは普段からナショナルチームの合宿で練習や試合をしていて、本当に尊敬する選手なので、そのぶん丹羽さんの練習やプレーはよく見ている。丹羽さんが回り込むとフォアサイドがすごく空くんですけど、そこは手を伸ばして取ってくるイメージがあったので、回り込みを多用して勝つことができました」(森薗)。Tリーグの面白さを凝縮したような一戦は、守護神・森薗の誕生を予感させてその幕を閉じた。

貫禄を見せた荘智淵/陳建安だが、このペアを使うと陳建安をシングルスで起用できないデメリットも


同期のライバル吉田を下した丹羽。気合いが入っていた


0−2の劣勢を跳ね返し、チームに流れを引き戻したキャプテン上田


荘智淵、中盤からは上田の厳しい攻めに圧倒された


殊勲の森薗、白神監督と熱い抱擁

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