全中国運動会の閉幕から間もない10月3日、静かにスタートしていた中国卓球クラブ超級リーグ。……大会の結果は随時チェックしていたのですが、ひとつずつ結果を取り上げる余裕がなく、失礼しました。10月3〜9日にグループリーグが終了し、現在はプレーオフ(準決勝・決勝)が進行中の超級リーグ。まずグループリーグの結果からお伝えします。
●男子グループリーグ成績
1 山東魯能(8勝0敗)
2 山東魏橋・向尚運動(6勝2敗)
3 仙頭明潤(6勝2敗)
4 上海地産集団(5勝3敗)
5 黄石基地・華新(4勝4敗)
6 楽旋体育集団(2勝6敗)
7 江蘇中超電纜・利永(2勝6敗)
8 四川長虹(2勝6敗)
9 深圳宝安明金海(1勝7敗)
※4位の上海地産集団までがプレーオフ進出
●女子グループリーグ成績 ※6チームが出場
1 山東魯能(5勝0敗)
2 深圳大学(4勝1敗)
3 上海龍騰(2勝3敗)
4 大土河・華東理工(2勝3敗)
5 黒龍江迎福台(2勝3敗)
6 成都高新若水居(0勝5敗)
※4位の大土河・華東理工までがプレーオフ進出
かつてのレギュラーシーズンはホーム&アウェーで2試合ずつ行い、さらにプレーオフを実施していた超級リーグ。しかし、昨季(2020年12月21〜29日)に続いて今季も、総当りのグループリーグとプレーオフのみ。さらに今季は出場チームも男子9チーム・女子6チームまで減ってしまった。コロナ禍でやむを得ない部分もあるが、超級リーグの前身である全国クラブ大会(1995〜1997年)の時代に戻ってしまった感すらある。中国卓球協会の蔡振華・前会長が、「超級リーグのNBA(アメリカ・プロバスケットボールリーグ)化」を目指していた頃が懐かしい。
ちなみに今季の超級リーグは、来月の世界選手権(個人戦)ヒューストン大会の代表選考会も兼ねている。グループリーグでは1勝につき150ポイント、プレーオフでは1勝につき200ポイントが選手に与えられ、獲得ポイントが最も高い男女1名ずつがヒューストン大会の出場資格を得る。
……前置きが長くなりました。男子グループリーグを8戦全勝で首位通過したのは山東魯能。しかも8試合すべて3ー0のオールストレートという、ぶっちぎりの強さを見せた。チームの主力メンバーは馬龍・王楚欽・閻安・方博。チーム名こそ山東魯能だが、クラブの生え抜きは方博だけで、その他のメンバーは全員が北京市チームの所属なのだ。プロリーグなので所属選手の出身地が全員違っていてもおかしくはないのだが、こうも北京市の選手が固まってしまうと異様に映る。ちなみに2006年シーズンの北京銅牛を最後に、北京市は超級リーグの男子チームが不在の状態が続く。
山東魯能は、馬龍がシングルス6戦6勝、ダブルス4戦4勝と圧巻の10連勝。調整が万全ではなくても、多彩な戦術と技術で林高遠や梁靖崑すら手玉に取った。東京オリンピックを2連覇で終えた卓球の「達人」は、そのうち欲もプレッシャーもない「卓球仙人」になってしまうのではないか……。
男子グループリーグ2位の山東魏橋・向尚運動は、梁靖崑・周啓豪・劉丁碩・周雨という強打者揃いのチーム。全中国運動会で準優勝と大活躍した劉丁碩は、初戦の黄石基地・華新戦で単複2敗を喫し、その後はダブルス1試合のみの起用と散々の結果に終わった。3位の仙頭明潤は、ツインエースの樊振東と林高遠が山東魯能戦と山東魏橋戦でともに敗れて2敗を喫したもののプレーオフ進出。4位の上海地産集団は、上海市チームの許シンと趙子豪に徐晨皓を加えたメンバーで、辛くもプレーオフに駒を進めた。
一方、女子はこちらも山東魯能が5戦全勝。陳夢・王曼昱・陳幸同という各省チームのエースが揃う「ドリームチーム」だ。かつて超級リーグには、世界代表クラスの「特級」選手は各クラブ1人までという規定があったが、近年では2〜3のクラブに特級選手が集中する状態が続いている。最大のライバルである孫穎莎・何卓佳を擁する深圳大学戦では、陳幸同が孫穎莎に敗れたものの、陳夢/王曼昱という強力ダブルスで先制点を取り、3ー1で押し切った。
※写真提供:『ピンパン世界』
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