この春、卓球業界を驚かせたニュースは「松平健太のティバー契約」だっただろう。
ドイツの老舗卓球メーカーでありながら印象は地味。これがティバーというブランドのイメージだった。3月31日に松平健太が自ら「長年お世話になったバタフライとの契約を終了します」と光源いた時点で、「健太はVICTASに行くのだろう」と噂が流れた。
翌日、松平健太が発表したのは「TIBHAR(ティバー)」だった。
契約当初に松平健太はこう語っている。
「ぼくはラバーが自分に合わなければ契約を変えるつもりはなかった。ぼくの中では『ティバーはラバーが良い』というイメージが勝手にあって、ぼくのほうからGC(・フォースター/ティバーアジア地区ゼネラルマネージャー)に連絡して、彼も関心があると言ってくれました。その時から『ぼくはラバーが良くなかったら(ティバーには)行かない』と彼に言っていて、ラバーが使えないないなら条件をいくら話をしていても時間も無駄になるし、意味がないので、(金銭面などの)条件の話し合いは一番最後にしました」
1月の全日本選手権で準優勝の松平は、活躍したからメーカーを移ったわけではない。新たな自分の可能性を探していたと言う。
しかし、選手間では「現役ばりばりの松平健太がバタフライから移るのは難しいだろう」とささやかれていた。なぜなら、彼ほど用具にこだわる選手も珍しいし、選手間にさえ、「バタフライ信仰」があるからだ。
松平はテストをした。5〜10分で「バック面でこれで大丈夫」と即決したのが、『ハイブリッドK3』だった。それまで『ディグニクス09C』を使っていた松平に「『ハイブリッドK3』はすべてクリアした」と言わしめた。
ちなみにこのラバーは世界ランキング5位のヨルジッチ(スロベニア)がフォア面で使用している。微粘着テンションラバーの『ディグニクス09C』に対抗するラバーとなりそうだが、卓球市場の販売価格で言えば、『ディグニクス09C』よりも2000円ほど安いために競争力もあると言える。別冊『卓球グッズ2022』の試打会でも高評価だった。
詳しくは別冊の「挑戦者の実力」で紹介している。
●厚さ:MAX・2.0
●色:黒・赤
●スポンジ硬度:53度
●微粘着テンション裏ソフトラバー
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