中国・深圳で開催されたアジアカップが閉幕。男子シングルスは王楚欽(中国)、女子シングルスは王曼昱(中国)が頂点に立ち、男女ともに表彰台を地元・中国勢が独占した。
〈女子シングルス〉
優勝:王曼昱(中国)
準優勝:孫穎莎(中国)
3位:蒯曼(中国)
先に行われた女子シングルス決勝は、準決勝で陳幸同(中国)との同士討ちに4−0で勝利した孫穎莎(中国)と、シンガポールスマッシュで敗れていた蒯曼(中国)に準決勝でリベンジして勝ち上がった王曼昱との対戦となった。
手の内を知るもの同士、接戦も予想されたが、ラリー戦で常に一本多く粘った王曼昱がストレートで勝利。勝利後のインビューで「戦術、やることは明確だった」と語ったように、王曼昱のプレーに迷いはなかった。緩急に柔軟に対応しつつ、積極的に威力ある両ハンドドライブを振り抜いた。フォアサイドに厳しく突かれた際もしっかり反応し、苦しい体勢からかけ返すなど充実したプレーで栄冠を掴んだ。
女子シングルス優勝の王曼昱
また、銅メダル決定戦は、ここ最近成長目覚ましい蒯曼が陳幸同に4−0で勝利。最終ゲームは11-1と圧倒した内容で勝負を決めた。
〈男子シングルス〉
優勝:王楚欽(中国)
準優勝:梁靖崑(中国)
3位:林詩棟(中国)
男子シングルス決勝は、シンガポールスマッシュ三冠王の林詩棟(中国)とのフルゲームの接戦をものにした梁靖崑と、林昀儒(チャイニーズタイペイ)との左腕対決に4−2で勝利した王楚欽の対戦となった。
直近の対戦では、梁靖崑がマッチポイントを凌いで勝利していたが、今回の対決では王楚欽が2−0で迎えた3ゲーム目こそ一進一退の展開となったものの、安定したプレーを見せて4-0で完勝。アジアカップでは初のタイトル獲得となった。
カウンターが冴えた王楚欽。アジアカップで初頂点に輝いた
男子シングルスの銅メダル決定戦は、林詩棟が林昀儒にストレート勝ち。林詩棟が銅メダルを獲得した。
また、日本選手は、今大会ベスト8が最高成績となった。
男子では、宇田幸矢(協和キリン)が林詩棟と対戦。バックハンドが持ち味の林詩棟に対し、積極的にフォアサイドを突いて得点を重ねたが、個々の技術の精度の高さで上回った林詩棟が4-1で試合を制した。
戸上隼輔(井村屋グループ)は王楚欽に随所で好ラリーを展開するも、ゲームを奪えずストレートで敗戦。また、前回王者の張本智和(智和企画)は梁靖崑との長いラリーの応酬の末、2-4で敗戦。10−8とゲームポイントを奪った2ゲーム目を取りたかった。
日本女子では、伊藤美誠(スターツ)が陳幸同と対戦し、回り込みフォア強打が鮮やかに決まる場面も度々あったが、ラリーで鉄壁の両ハンドを打ち破れず、1−4で敗戦。
張本美和(木下グループ)は孫穎莎と対戦し、互角のラリー戦を展開。2ゲーム目はゲームポイントを握り、2-3で迎えた6ゲーム目は9−4とリードを奪うも逆転を許し、2−4で惜敗。敗れたものの、効果的にミドルを突きながら、機を見て相手のフォアサイドへ鋭くボールを送るなど、遜色ない試合内容で女王をあと一歩まで追い詰めた。
写真提供:WTT
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