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登録者数は7年でピーク時から約7万人減、特に中学生の減少が深刻。部活動縮小の影響が直撃?

日本卓球協会の登録人口は毎年4月から登録が始まり、翌年の3月までの間に登録した人数を6月に発表している。日本の場合は日本卓球協会に登録しなければ、全日本選手権の予選を含めた、協会主催の全国大会の本戦、予選には出場できない。ただし、全国中学校大会のように日本中体連(中体連)が主催する大会や、各地域のオープン大会には協会登録がなくての出場ができる。

日本卓球協会が発表した2024年度の登録者数は290,550人。これは前年より8,735人の減少で、2018年度のピーク時(358,600人)と比較すると約7万人減。コロナ禍を経て30万人台に戻ったものの、回復基調がストップし、再び減少に転じている。
コロナ前には協会に登録していない人を含めて、卓球市場でのラバー販売枚数から100〜110万人の卓球愛好者がいると推測できていたが、協会の登録者と愛好者全体の数が比例しているとすれば、全体の愛好者も80〜90万人程度に減少しているのではないか。

特に深刻なのが中学生の減少だ。
2023年度に142,049人いた中学生登録者は、2024年度には 133,806人へと激減。わずか1年で8,243人(約5.8%)が減っている。これは同期間における全国の中学生人口減(約1.2%)を大きく上回っており、単なる人口減少だけでは説明がつかない。

背景にあると見られるのが、全国で進む中学校の部活動縮小だ。顧問の負担軽減や地域移行の流れの中で、競技環境が不安定になっている可能性がある。協会の登録者全体に占める中学生の割合は約46%。このまま歯止めがかからなければ、協会の基盤そのものが揺らぎかねない。

協会は2024年に「部活動対策プロジェクト」を立ち上げたものの、現時点ではアンケート調査など準備段階にとどまっており、実効的な施策はこれから。都道府県協会や中体連と連携し、どれだけ早く現場に有効な支援策を届けられるかが問われている。

*写真は2024年全国中学校大会より

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●日本卓球協会登録者数・過去7年の推移

2024年度 290,550

2023年度 299.285

2022年度 303,229

2021年度 301,984

2020年度 262,175 *新型コロナによるパンデミック

2019年度 358,124

2018年度 358,600

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●中学生の日本卓球協会登録者数・過去7年の推移

2024年度 133,806

2023年度 142,049

2022年度 146,396

2021年度 145,446

2020年度 118,040 *新型コロナによるパンデミック

2019年度 179,129

2018年度 178,319

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