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インターハイ2021

両チームが真っ向勝負で挑んだ男子学校対抗決勝。激闘の末、愛工大名電が5連覇を達成

インターハイの男子学校対抗の決勝は、愛工大名電と野田学園というライバル校対決になり、名電が苦しみながらも野田学園を振り切り、5連覇を達成した。

 

 

【男子学校対抗決勝】

愛工大名電 3-2 野田学園

○篠塚 -10、4、-9、2、6 徳田

○吉山 5、4、8 今泉

 篠塚/谷垣 -11、-7、-7 徳田/芝○

 浜田 3、-9、6、-8、-6 飯村○

○谷垣 8、5、4 芝

 

 愛工大名電のメンバーは、全員が上位チームのエースになれる実力者揃い。野田学園も力のあるメンバーだが1、2年生が主体のチーム構成。戦前の予想では名電が断然有利だと見られていた。

 

 両チームともエースを1番に起用する真っ向勝負のオーダーを組んだ。その1番は篠塚が徳田にゲームを先行されて追いかける展開になる。徳田はサービスの組み立てで篠塚のチキータを封じることに成功し、フルスイングのバックドライブを積極的に振っていくなど強気のプレーを見せた。

 篠塚はなかなかペースをつかむことができなかったが、徳田のツッツキを前に踏み込みながら打つ迫力のあるフォアドライブでプレッシャーをかけて、4ゲーム目以降は自分の展開で試合を進め、徳田の猛攻を抑えた。

苦しみながらも篠塚が先取点をあげる
徳田にアドバイスをおくる橋津監督
キャプテンの篠塚、踏ん張る

 

 2番は好調の吉山が今泉をシャットアウト。フットワークを使って威力のあるフォアドライブを打ち、バックを突かれても一撃のドライブで逆襲するなどパワフルなオールラウンドプレーが光った。これで名電が2-0として優勝に王手をかける。

2年の吉山は全勝の活躍
名電ベンチでの今枝監督

 

 3番のダブルスは前日の男子ダブルスで優勝した篠塚/谷垣と徳田/芝。このまま名電が一気にたたみかけるかと思われたが、野田学園が意地を見せる。

 野田学園ペアはチキータから下がらずに早い打球点の両ハンドドライブで名電ペアを攻める。試合を通じて名電ペアのミスが目立ったが、裏返せば野田学園ペアのアグレッシブなプレーにプレッシャーをかけられていたということだろう。野田学園ペアがストレートで名電ペアを下し、後半につないだ。

徳田(左)と芝が1点を返す

 

 4番の浜田と飯村は、この学校対抗決勝の直前に行われていた男子シングルス5回戦で対戦し、飯村が全日本ジュニアチャンピオンの浜田を破っていた。決勝前に今枝監督は浜田に「4番で飯村と当てるからもう1度やってこい」と言って送り出したが、飯村はフォアドライブの打ち合いで浜田を押し切り、シングルスに続いて金星をあげた。野田学園が土壇場から2-2に追いついた。

飯村が再び金星をあげてラストにつなぐ

 

 優勝の行方はラストに託させた。名電はダブルスを落とした谷垣、野田学園はダブルスを取った芝。流れは野田学園に傾いたかと思われたが、谷垣の全力スイングが流れを断ち切る。チキータ封じのために芝が多用した両コーナーへのロングサービスを、谷垣はフルスイングのドライブで何本も抜いた。短いサービスに対しては、質の高いフォアでのストップとスピードのあるツッツキでレシーブして、芝の3球目を封じた。

 谷垣は最初から最後までフルスイングを貫き、下から持ち上げるような山なりのドライブは1本も打たなかった。芝は戦況を変えようとサービスを変えていたが、谷垣の決意のプレーの前に勝機を見いだせなかった。

最後は谷垣がフルスイングのプレーで勝利を手にした

 

 2年ぶりのインターハイ男子学校対抗の決勝は、両チームが全力を出し合うすばらしい戦いだった。名電は連覇を守るのではなく、自ら勝ち取りにいくという強い姿勢が感じられ、敗れたとはいえ野田学園は120%の力を出していた。インターハイ決勝にふさわしい熱い戦いは、激闘の末に愛工大名電が5連覇を達成した。

プレッシャーの中、5連覇を達成した愛工大名電

 

「決勝は1番から5番まで、すべてが勝負だと思ってオーダーを組みましたし、生徒たちもそのように取り組んでくれたと思います。どこで取って、どこで落とすという計算とかはなく、全部が勝負。野田学園さんも真っ向勝負してくると思っていたので、お互いに逃げないということだったと思います。

 これだけのメンバーがそろっている中での代表として出てもらっているので、私たちが想像するよりはるかに大きな重圧を受けてプレーしていると思います。

 優勝を重ねて来れたことについては、選手たちに感服します。本当に地道にインターハイを目指して準備してくれているし、日々の生活も実っているのかと思います。

 どのチームもそうだと思いますが、(コロナ禍のため)1年の空白はものすごく大きくて、生徒の成長は例年より遅く感じます。その中でいかに変化をつけて日々の生活を送るかということをテーマにやってきたので、試合も余りない中、よく飽きずにやってくれたと思います」(愛工大名電/今枝監督)

 

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