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【PICK UP】アームストロング『ツイスター』究極の形状比率、縦目。 老舗が贈る陰のロングセラー

<卓球王国2023年1月号より>

究極の形状比率、縦目。

老舗が贈る陰のロングセラー

 

 新製品が少ない粒高ラバーだが、今回改めて紹介したいのは、発売から35年となる『ツイスター』だ。

 老舗メーカー・アームストロングの先代社長の考案で、8712月に公認取得となった『ツイスター』だが、奇しくも「粒高受難」のルール変更が、その存在感をアピールするきっかけとなった。

 粒高の粒の「形状比率」(=高さ÷直径)について、かつては1.3以下という規定だったが、99年に1.1以下に変更された。極端に細長い粒高の公認が取り消されたのだ。当時について、現社長の原田征明氏はこう振り返る。「他社のラバーが通らないものが多かった中、形状比率がギリギリの『ツイスター』は、運良く新規定をクリアしたんです。結果的に『粒形状比率世界一』とうたった新パッケージにしました。でも、世界中のメーカーから多くのラバーが発売されていたので、厳密に言えば世界一ではないかもしれませんね(笑)」

 粒拡大写真を見ると、確かに形状比率は1.1ギリギリ。そして天然ゴムのため粒が柔軟で、完全な円柱形状もあいまって粒が倒れやすく、変化を容易に出せる。過去に本誌の「徹底試打分析」で、元五輪代表の海津富美代さんが試打し、「変化量はまあまあ。ブロックも攻撃もやりやすく、安定性がある。攻撃はかなり安定して行える。あらゆる技術に関して、使いこなしやすい。変化量と攻撃量の兼ね合いが良い」と高評価。筆者も長く愛用していたが、程良い変化と安定が両立し、球速は出ないが、引っ掛かりの良いゴム質で攻撃もしやすく感じる。縦目なのでブロックでは時に意外な変化も出て、横にスライドする技術は安定するように感じたが、それはラケット角度や打ち方次第だろう。寿命の長さもメリットだ。軟らかい粒を好む人にはお薦めできる。

 高性能化を続ける裏ソフトと違い、古くからあるラバーが十分通用するのも、粒高の特徴だろう。まだ体感したことのないユーザーは、この味わい深い一枚をぜひお試しあれ。

 

 

写真は超極薄スポンジ。硬度は45度(超軽極薄のみ30度)

 

 

アームストロング

ツイスター

粒高ラバー ●4,620(税込)

厚さ:中・薄・極薄・超極薄・超軽極薄・OX(一枚)

アームストロング㈱ 0338192701

 https://armstrong.tokyo.jp/

photo >> Yoshinori Eto

text >> Hiromoto Takabe