●男子シングルス1回戦
林詩棟(中国) −8、7、8、4 A.ルブラン(フランス)
王楚欽(中国) 8、10、−11、6 フランチスカ(ドイツ)
大会2日目のラストを飾る、男子シングルス1回戦の2試合。林高遠が敗れ、梁靖崑が敗れ、林高遠/林詩棟のダブルスが敗れ、と総崩れの状態だった中国男子の逆襲を期して、世界ランキング2位の林詩棟と1位の王楚欽が出陣。リン&ワンはともに競り合いながらも勝利し、準々決勝へ駒を進めた。
林詩棟は1ゲーム目、A.ルブランに緩急の変化をうまくつけられ、先行を許す展開。しかし、2ゲーム目以降は目まぐるしくサービスを出すA.ルブランのペース、球質の変化にも慣れ、どのゲームも出足でリードを奪う展開。「先行逃げ切り型」のA.ルブランは苦しい戦いを強いられた。
林詩棟は下がっても粘り強いA.ルブランに対し、サイドを切る厳しいコースへドライブを打ち込み、3ゲームを連取して逆転勝ちした。ルブラン兄弟を育ててきたモランコーチは、試合後に「オリンピック後に試合が続いていたし、練習が満足にやれていない。12月、1月は試合がないので、この期間しっかり練習を積んでいきたい。2回の合宿を予定している」と語った。オリンピック後も試合続きで、強化や調整が難しいのは中国だけではないようだ。
そしてパリ五輪後、国際大会での早いラウンドでの敗退が続いている王楚欽は、中国選手に強いパワーヒッター、フランチスカと対戦。会場には多数の王楚欽ファンが詰めかけ、熱い声援を送った。中国男子チームも、悩めるエースをもり立てようと、大きな声で応援していた。
強烈な変化サービスとチキータ、両ハンドのカウンター連打で相手を圧倒する爆発力は影を潜めた王楚欽。しかし、これもひとつの成長曲線、進化の過程なのかもしれない。かつての樊振東がチキータからの前陣バック連打で華々しくデビューし、それでもなかなかビッグタイトルが獲れず、よりオールラウンドでプレー領域の広い両ハンドスタイルへ進化していったように。
3ゲーム目に8-10から11-10と逆転でマッチポイントを握りながら、このゲームを落とすなどチームメイトやファンをやきもきさせた王楚欽だが、4ゲーム目は中盤で突き放して勝利を決めた。
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