前期日本リーグの女子1部は、サンリツが第6戦まで全勝街道をばく進。第6戦で十六銀行を3−1で下すと、1敗で追走していた中国電力が昭和電工マテリアルズに敗れ、こちらも最終戦を待たずに優勝を決めた。最終順位は下記のとおり。
◎女子1部
1位 サンリツ(6勝1敗)
2位 昭和電工マテリアルズ(5勝2敗)
3位 中国電力(5勝2敗)
4位 神戸松蔭女子学院大(5勝2敗)
5位 デンソー(4勝3敗)
6位 十六銀行(2勝5敗)
7位 エクセディ(1勝6敗)
8位 愛媛銀行(0勝7敗)
※勝敗が同じ場合は得失点率で順位を決定
サンリツは優秀ペア賞を獲得した松平志穂/永尾尭子のペアが7戦全勝の大活躍。「時間は短くてもダブルスは必ず毎日練習して強化してきた」という永尾の言葉どおり、抜群のコンビネーションで敗戦のピンチを何度も乗り切り、チームの確実な得点源となった。永尾はシングルスでもパワフルな両ハンドドライブを連発し、要所で貴重な勝ち星を挙げ、最高殊勲選手賞とのダブル受賞。新人たちのプレーを笑顔で後押ししたキャプテン・松平志穂は、若返ったチームを見事にまとめた。
そして「新生・サンリツ」を強烈に印象づけたのが、塩見真希、出雲美空、梅村優香という3人の新人だ。ミキハウスから移籍の右シェークフォア表攻守型の塩見は、冷静な試合運びでシングルス3勝1敗と活躍。「団体戦は高校生(四天王寺高)以来で、私は団体戦が大好きなので頑張れるし、楽しい。試合をしていていいなと思いました」と笑顔でコメントした。左シェーク・バック表の出雲は、なんといっても昭和電工マテリアルズ戦でゴールド選手の石川佳純(全農)にストレート勝ちを収め、チームを優勝へ大きく前進させた1勝が光る。梅村はシングルス1試合のみの出場だったが、今後はより起用の機会が増えるだろう。
サンリツの近藤欽司監督は、試合後に「どの試合もヤマ場だったし、どの試合も紙一重。こういう緊張感の中でプレーできたのは選手たちの成長につながりますね」とコメント。「日本リーグというのはだいたい競るんです。競ったところで何ができるか、競ったところで相手が何をしてくるかという駆け引きの準備をしないといけない。サンリツは粘り強さが持ち味で、ネットインやエッジも絶対にあきらめないと口癖のように言っています」(近藤)。
2位の昭和電工マテリアルズは、石川が苦しみながらもしっかり勝ち星を重ね、右シェークフォア表の奥下が後半から起用されて期待に応えたが、初戦のデンソー戦で競り負けた1敗が惜しまれる。最終戦でサンリツに唯一の黒星をつけた中国電力は、神戸松蔭女子学院大に2−3で敗れて優勝戦線から後退したが、新人の中森帆南が後半で勝負強さを見せた。4位の神戸松蔭女子学院大は、ポイントゲッターの木塚陽菜が気迫満点のプレーでファインプレー賞に輝いている。
女子の個人表彰は下記のとおり。
■最高殊勲選手賞 永尾尭子(サンリツ)
■優秀選手賞 菅澤柚花里(デンソー)
■優秀ペア賞 松平志穂/永尾尭子(サンリツ)
■新人賞 菅澤柚花里(デンソー)
■ファインプレー賞 木塚陽菜(神戸松蔭女子学院大)、出雲美空(サンリツ)
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