男女シングルス1回戦を終えた各選手・監督のコメントは以下の通り(吉村真晴選手は試合後にドーピング検査へ向かったため、取材対応できず)。
大藤沙月
「世界選手権ということもあって、自分で自分を緊張させているというか、もっと自分らしいプレーをしたいというのが一番です。少し硬さもあって、思うようなプレーができなかったんですけど、4ゲーム目は少しずつ自分のプレー、攻めのプレーを出すことができたので、次につながると思います。相手は思ったよりボールの威力があった印象です。最初はプレーが縮こまっていたけど、3ゲーム目が終わったときに坂本コーチから全然余裕があると言ってもらえて、ちょっと余裕を持ってプレーしました。自分のプレーができれば最終的に勝つことができると思っていたので、最後は落ち着いて、自分のプレーをすることだけに集中しました。台の色が赤ということで少し見づらいんですけど、何回も練習してきたのでもう慣れて試合に臨めています。ここ最近、ずっと自分の思うようなプレーが出せていなかったので、世界選手権に向けて攻めのプレーを取り戻そうと思って練習してきたけど、まだ自信というのがついていないという感じはします。世界選手権にはまず出られるということのがすごいことで、出られてるのが不思議な感じはまだするんですけど、出るからにはメダルを取りたいなと思います」
やはり初戦で緊張感があったという大藤だが、終盤は盤石。これから徐々にエンジンがかかっていくはずだ
大藤に「思ったよりボールの威力があった」と言わしめたヴェガ(チリ)
篠塚大登
「1・2ゲーム目を取られて難しい試合ではあったんですけど、最後まであきらめず、プレー自体は良かったので攻めのプレーをやり続けられたのが良かったですね。1・2ゲーム目はちょっと最後で迷いながらプレーしてしまったので、3ゲーム目以降は効いているところで真っ向勝負をしようと思いました。まずは自分から攻めていくこと、そして一度攻めたあとに次で守りに入ってしまわないよう、何本でも攻めていくことを意識してやりました。ラリーでも負けていなかった。前回の対戦ではラリーでも勝てなかったので、相手もちょっとびっくりしたような感じでした。パリでは本当に悔しい思いをして、強くなりたいという思いでここまで頑張ってきたんですけど、自分はあまり感情を表に出さないタイプですけど、相手に圧力をかけるためにも感情を出すのは大事かなと。最近はそういった気持ちの面もちょっと変えていくようにしています。ロングサービスについては、ミスをしても効いていることをやらないと相手にプレッシャーがかけられない。サービスミスをするのは自分でもわかっている部分はあるので、1、2球ミスが出ても出していくようにしています。勝った瞬間は競っていたら鳥肌が立ったかもしれないけど、かなり点数が離れていたので、本当に「気持ちいい」という感じですね(笑)」
ロングサービスからの迷いのないカウンター連打で薛飛(中国)を押しまくった篠塚。最後の第6ゲームは11-4と圧倒
26歳で世界選手権シングルス初出場という遅咲きの薛飛だったが、中盤以降に失速。夢舞台から元気なく去った
岸川聖也監督(篠塚戦ベンチ後)
「非常にレベルの高い試合だったなと思います。両方競ったゲームを落として0-2になったところから、気持ちを切らさずに取り返していけて、6ゲーム目はかなり点差も開いたゲームになった。本当に素晴らしい試合をしてくれたなとうれしく思います。競って2ゲーム落としてしまったら、1−4とか0−4になってしまうケースがほとんどですけど、そこからしっかり1ゲームずついけた。3・4・5ゲーム目と接戦を取れたのは、戦術をシンプルにできたこと。レシーブは80%くらい長いツッツキを使って、中国選手にそういう戦術を使うのは難しいですけど、長いツッツキから4球目でカウンターを狙う戦術を貫いていけた。サービスもほとんどロングサービスを使って、3球目を待ちやすい戦術を取れた。ロングサービスを使うのも強い選手に対しては難しい部分があるけど、ビビらずにいけたのが良かったですね」
全力を尽くした激戦の後、かすれた声ながら晴れやかな表情でインタビューに答えた篠塚
伊藤美誠
「隣のコートでまだ試合をやっているはずが、先に終わってしまっていたので、こちらは本当にいつもどおりに試合ができた感じです。(10回目の世界卓球ですが)自分のことですけどすごいなという感覚もある。自分の中ではまたさらに歴史を作りたいという気持ちで頑張っていきたい。(母がベンチに入った)世界選手権では初めてで、お母さんも良い思い出になるんじゃないかと思いますし、自分自身も親孝行ができた気持ち。でも一緒にメダルを取りたいです。私自身、まだシングルスのメダルを取ったことがないので、自分の中での歴史を作るということで、メダルを取れるように一戦一戦、楽しみながら試合をしていきたい。明日は試合がないので、今日と明日、明後日以降の試合に向けてしっかり準備をして、たくさん食べてたくさん寝て、また試合に臨みたいと思います」
横回転を入れたスライド式ブロックをはじめ多彩な技で相手を翻弄した伊藤。好調さがうかがえる内容だった
プエルトリコのブルゴスはまだ20歳。伸び盛りの選手だが、伊藤のテクニックとスピードにはついていけず
苦しみながら初戦を乗り切った吉村真晴。勝負どころで相手にミスをさせるクレバーな選択が光った
柔らかいボールタッチと粘り強いプレーで吉村を苦しめたポーランドのレジンスキー。まだ18歳で、将来が楽しみな選手だ
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