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中国リポート

全中国運動会予選、劉詩ウェンは復調アピール-団体戦

全中国運動会・卓球競技予選の団体予選は、男子24チーム、女子23チームが4つの予選リーグに分かれてリーグ戦を行い、上位3チームが本戦の出場権を獲得した。結果は下記のとおり。

 

〈男子団体〉※3位のチームまで出場権獲得
A組:(1)河南省(2)山西省(3)天津市(4)吉林省(5)雲南省(6)西蔵ZGL
B組:(1)河北省(2)黒龍江銀河(3)陝西省(4)安徽国軒(5)広西壮族自治区(6)江西省
C組:(1)江蘇ZGL(2)上海地産集団(3)湖南省(4)四川省)(5)甘粛省(6)重慶市
D組:(1)遼寧省(2)浙江省(3)福建省(4)海南省(5)青海省(6)内蒙古自治区
★2020年全中国選手権ベスト4の広東省・北京市・山東省・湖北省は予選免除

 

まず男子団体のA組は、世界ジュニア代表経験のある于何一と牛冠凱に、解放軍から周雨が移籍した河南省がオール3ー0で1位通過。2位以下はかなりレベルが下がる中、山西省と天津市が本戦への出場権を得たが、かつての強豪・天津市の3位通過は少々寂しい。

B組は河北省と黒龍江銀河、陝西(せんせい)省が4勝1敗で並び、得失ゲーム数で河北省が1位通過。この3チームが対戦した3試合はいずれも3ー2という大激戦だった。地元大会を控える陝西省は助っ人の侯英超が獅子奮迅の活躍を見せ、河北省戦では梁靖崑を3ー0、周愷を3ー1で破ってチームの勝利に貢献。黒龍江銀河戦も2ー2まで競り合ってラストで侯英超の出番だったが、故障のために無念の棄権となり、チームも2ー3で敗れた。

 

陝西省戦でプレーする河北省チームの梁靖崑。侯英超に敗れた

 

C組は19年ジャパンオープンにも中国代表として来日した、孫聞や張煜東を擁する江蘇ZGLが1位通過。上海市はエース許シンが江蘇省戦トップの張煜東戦で、0ー2となった3ゲーム目にこちらも故障で棄権し、17年全中国運動会の優勝チームがまさかの2位通過。さらにその17年大会で準優勝と大健闘した四川省が、湖南省に痛恨の敗戦を喫して予選敗退の憂き目にあった。

 

江蘇ZGL戦トップ、2ゲームを戦い終えたところで棄権した許シン。前回大会も故障に悩まされたが……

D組は18年世界ジュニアチャンピオンの徐海東を擁する遼寧省が1位、19年世界ジュニアチャンピオンの向鵬がエースの浙江省が2位。エースの右ペンドライブ型・鄭培峰が奮闘した福建省が3位で出場権を得た。

 

〈女子団体〉※3位のチームまで出場権獲得
A組:(1)遼寧省(2)天津市(3)上海地産集団(4)広西壮族自治区(5)湖南省(6)青海省
B組:(1)北京燕京啤酒(2)広東省(3)河南省(4)安徽国軒(5)重慶市(6)内蒙古自治区
C組:(1)湖北省(2)西蔵ZGL(3)雲南省(4)福建省(5)浙江省(6)海南省
D組:(1)黒龍江銀河(2)山西省(3)陝西省(4)吉林省(5)江西省
★2020年全中国選手権ベスト4の河北省・山東省・江蘇省・四川省は予選免除

 

女子団体A組は、王芸迪と陳幸同というツインエースが強力な遼寧省が1位。本戦でも有力な優勝候補になるだろう。2位は天津市、期待の新人・陳イ(火+習/19年世界ジュニア代表)が出場した上海地産集団が3位。

B組は北京燕京啤酒が1位、広東省が2位で通過したが、広東省のエースで今大会で競技に復帰した劉詩ウェンが6戦全勝と気を吐いたのに対し、北京燕京啤酒のエース丁寧は内蒙古戦で1試合に出場して1勝したのみ。広東省戦には出場せず、両者の対戦は実現しなかった。劉詩ウェンは個人戦の混合ダブルス予選での2勝を加え、全中国運動会予選を8戦全勝として上々の復帰戦を飾った。

 

復帰戦は上々の結果となった劉詩ウェンだが、五輪への切符は確約されてはいない

 

C組は「仮想・伊藤美誠」の張瑞、16年世界ジュニア代表の左腕・孫芸禎、ベテラン馮亜蘭とメンバーの揃った湖北省が1位。2位以下は実力が接近する中、西蔵ZGLが大健闘の2位通過を決めている。

D組は黒龍江銀河と山西省の一騎打ちの構図で、王曼昱がエースの黒龍江銀河が直接対決で3ー0で勝利。山西省のエース武楊はこの試合には出場しなかった。3位に入った大会の地元チーム・陝西省には、Tリーグの日本生命レッドエルフでもプレーした蒋慧が助っ人として加わっている。

 

これで全中国運動会も本戦を待つのみ。09・13・17年と3大会連続で全中国運動会を取材し、「中国選手がインターハイ並みに熱くなる」大会の雰囲気に魅せられている中国リポート担当ですが、現時点では中国への入国時には3週間の隔離期間が必要。さらに取材期間を合わせるとビザの取得が必要となり、許可が下りる可能性は非常に低くなっている。何とか現地で取材したいところですが……。

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