5月26〜30日、河南省南陽市で行われていた『直通WTT大満貫(グランドスマッシュ)・世界選手権』の第2ラウンドは、開催された5種目で優勝が決定した。まず男女シングルスの結果は下記のとおり。
〈男子シングルス〉●準々決勝
樊振東 3、ー7、8、9、10 林高遠
王楚欽 6、ー12、10、ー9、4、4 周啓豪
許シン 9、6、5、10 梁靖崑
徐晨皓 5、9、10、ー6、ー5、8 馬龍
●準決勝
樊振東 ー10、10、6、ー6、9、10 王楚欽
許シン 6、8、9、ー9、7 徐晨皓
●決勝
樊振東 5、ー10、ー8、ー9、9、7、8 許シン
〈女子シングルス〉●準々決勝
何卓佳 4、14、6、8 劉詩ウェン
陳夢 10、9、10、ー11、ー8、6 王芸迪
孫穎莎 5、ー10、ー8、7、ー5、7、5 顧玉ティン
王曼昱 8、ー7、5、7、7 陳幸同
●準決勝
陳夢 ー9、10、4、3、5 何卓佳
王曼昱 7、4、12、ー11、5 孫穎莎
●決勝
王曼昱 ー7、8、11、12、ー4、8 陳夢
男子シングルスは東京五輪代表の樊振東と許シンが決勝へ進出。世界ランキング1位(樊振東)と2位(許シン)の対戦となり、ゲームカウント1ー3から3ゲームを連取した樊振東が優勝を果たした。「準決勝と決勝の2試合は、メンタルの部分で非常に鍛えられた試合だった。これからの練習や試合でも、より明確に状況を理解していけるだろう」と優勝後の樊振東。五輪前の貴重な実戦の場となったようだ。
一方、もうひとりの東京五輪代表、馬龍は準々決勝で徐晨皓に2ー4で敗れている。2020年8月の東京五輪エキシビションマッチで許シンをストレートで破り、波乱を起こした徐晨皓がまたも大物食いを見せた。第1ステージの雪辱を期した馬龍にとっては痛い敗戦だが、これで「馬龍の状態は良くない」と評するのは早計だろう。バックハンドが強く、独特の間合いでプレーする徐晨皓は、対戦相手が強いほど力を発揮する「鏡」のようなプレーヤー。逆に相手が弱かったり、打たされる展開になるとコロッと負ける時もある。
「最初の2ゲーム目でプレーが受け身になり、サービス・レシーブでの不用意なミスが多かった」と試合後の馬龍。中国卓球協会の劉国梁会長は「中国チームでは若手選手たちが旋風を巻き起こし、ベテラン選手たちに大きな打撃を与えた、これは非常に良いことであり、我々の目的はまさにそこにある」と語り、ご満悦の様子。第1ラウンドで優勝した周啓豪、馬龍を破った徐晨皓は若手というより中堅だが、彼らによって東京五輪後の国家チームの序列が変わっていく可能性もある。
女子シングルスは王曼昱が準決勝で孫穎莎、決勝で陳夢と五輪代表のふたりを連破し、意地を見せた。「今回は自分が優勝できるとはまったく考えていないので、素直にうれしい」と試合後に語った王曼昱。東京五輪にはPカード(故障時の代替出場選手)として帯同するものの、代表入りを果たしたライバル・孫穎莎に一歩先行された形だが、そのポテンシャルは計り知れない。
5月に2大会が行われた『直通WTT大満貫・世界戦』の結果、男女総合1位の樊振東と陳夢が今年11月にアメリカ・ヒューストンで行われる世界選手権個人戦の出場権を獲得した。劉国梁会長は東京五輪に向け、今後も部内での対抗戦や選考会、エキシビションマッチを開催する考えを示唆している。
ダブルス3種目の結果は下記のとおり。男子ダブルスは馬龍/許シンがきっちり勝ち切って優勝。女子ダブルスでは、東京五輪団体戦での起用が予想される劉詩ウェン/陳夢が決勝で孫穎莎/王曼昱にストレートで敗れ、2位となった。混合ダブルスでも東京五輪代表の許シン/劉詩雯はゲームオールの大激戦の末、王楚欽/孫穎莎に惜敗。二度の選考会でひとつもタイトルを獲得できなかった劉詩ウェンは、これから7月の東京に向けて、どこまで調整していけるだろうか。
〈男子ダブルス〉●準決勝
馬龍/許シン 6、8、8 周啓豪/林詩棟
樊振東/王楚欽 13、4、8 梁靖崑/孫聞
●決勝
馬龍/許シン 10、ー6、8、6 樊振東/王楚欽
〈女子ダブルス〉●準決勝
劉詩ウェン/陳夢 8、1、8 蒯曼/石洵瑶
孫穎莎 /王曼昱 ー14、6、3、8 陳幸同/銭天一
●決勝
孫穎莎/王曼昱 4、13、7 劉詩ウェン/陳夢
〈混合ダブルス〉●準決勝
許シン/劉詩ウェン 6、ー8、7、8、7 林詩棟/蒯曼
王楚欽/孫穎莎 8、ー7、10、ー9、5、9 于子洋/王曼昱
●決勝
王楚欽/孫穎莎 ー8、9、ー11、ー8、12、4、9 許シン/劉詩ウェン
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