毎年、卓球王国の全日本特集号では、1998年度(1998年12月開催)以降25大会にわたり「全日本ランカー使用用具リスト」を掲載している。前号(1月発売2023年3月号)では、過去24大会の一般男女シングルスベスト8選手の使用用具リストを一挙掲載したが、本日発売4月号では、1月に行われた全日本卓球2023の最新データを掲載している。
近年の全日本特集号では、一般男女シングルスのランカー(ベスト16)に加え、ジュニア男女(ベスト8)ランカーについても掲載。ラケットとラバーだけでなく、使用シューズも載せている。用具に興味がある人にとっては、単純にリストを眺めるだけでも楽しいし、「◯◯選手がバック面のラバーを変えている」などと、マニアックにチェックするのも良いだろう。
また誌面では、用具リストだけでなく考察記事も掲載している。上の棒グラフは、ある用具についての推移を表したものだ(用具に詳しい方なら察しが付くかもしれない)。「詳しくは本誌をご覧ください」ということで、上のグラフでは単位などの表記を省略しているが、かなり明確な傾向が出ていることだけはわかるだろう。
卓球のラバーの歴史を振り返ると、その性能は右肩上がりに進歩を続けてきたが、その中で興味深く明確な事象が繰り替えされてきた。つまり、「革新的なラバーが誕生すると、当初は『弾みすぎる』などと敬遠されるが、トップ選手が実績を残し、次第に広く浸透していく」。これは過去に幾度も見られたことだが、まさに現在進行形の現象かもしれない。
このような用具の傾向分析に限らず、「人気ラバーのシリーズ中で、特にどの商品が選ばれているか」「表ソフトは何が選ばれているか」など、細かくチェックするのも楽しいだろう。「用具リストを眺める」などというマニアックな行為も、卓球の楽しみ方のひとつだ。
ツイート