卓球王国 2021年1月21日発売 vol.286
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全日本選手権2021

男女を通じて大会最年少。9歳の大野颯真が見せたプライド

9歳とは思えない、堂々たるプレーを見せた大野

●ジュニア男子1回戦
鈴木耕大(育徳クラブ) 5、−9、4、7 大野颯真(ABBEY)

 

例年、男子よりも女子が大会最年少プレーヤーになる確率が高い全日本卓球。女子のほうがピッチの早さや変化によって、予選を勝ち抜く可能性が高いからだが、今大会の最年少プレーヤーは男子。2019年全日本男子バンビ優勝の小学3年生、大野颯真(ABBEY・鹿児島)が9歳78日にして全日本ジュニアの舞台に立った。

 

132cmの身長は、他のコートの選手たちと比べてもひと際小さく見える。失点するたびにベンチを振り返るシーンもあったが、一方で試合での間合いの取り方や冷静なプレーは小学3年生とはとても思えない。全身をしっかり使ってフォアドライブを放ち、バックハンドの攻守は安定していた。中学3年生の鈴木から2ゲーム目を11−9で奪取する健闘を見せた。地元・大阪の育徳クラブで育った鈴木も、両ハンドの正確なボールタッチが光る好選手だった。

 

リモートのテレビカメラの取材対応では、開口一番「あまり自分のプレーができなくて悔しい」とコメントし、アスリートとしてのプライドを見せた大野。「得意なプレーはバックハンド。張本(智和)さんのようなバックハンドがすごい選手になりたい。バック対バックで力のボールを打てるところがすごいと思います」と語った。将来の夢はオリンピックでの金メダルだ。

「(初めての全日本は)相手が少し強かったです。ボールの力や回転量があった。結構ドキドキしていました。お父さんからはいつもどおりにやって試合に挑めと言われました。今日の自分のプレーは55点。相手の打ったボールを止められなかった」(大野)。

 

9歳という年齢ながら、練習は平日3〜4時間、週末には1日7時間ほどこなすという大野。卓球を離れれば『鬼滅の刃』にハマっているという等身大の小学生だが、小さな体に秘めた夢は大きい。ここからどこまで伸びるのか?