●男子シングルス準決勝
及川瑞基(木下グループ) 8、-6、-4、8、5、6 吉田雅己(栃木県スポーツ協会)
男子シングルス準決勝、もうひと試合は及川が吉田を下し、ついに決勝進出!
バックハンドの技術力が高く、常に回転をかけて攻撃的な返球ができる及川。バック対バックでは吉田に対して先手を取り、サイドを切ったり、ミドルを突いてからフォアの回り込みドライブにつなげる。張本戦で有効だった、バックハンドでのストレートへのコース変更も、要所で決まった。
「及川のバックサイドにボールが集まりすぎると、得意のバックハンドが来るので、ちょっとずつずらしながら相手のフォアを攻める作戦だった」と試合後の吉田。「でも途中から相手もわかってきて、フォアを突かれたり、うまくやられた感じです」(吉田)。フォアドライブの打ち合いになれば、球威で上回る吉田も互角以上に勝負できていたが、やはり前陣でのバック対バックで不利になると、現代卓球では厳しくなる。4ゲーム目以降は及川が終始主導権を握っていた。
決勝は森薗政崇対及川瑞基。ともに現在はTリーガーだが、長くドイツ・ブンデスリーガで経験を積み、修羅場をくぐり抜けてきたふたりが決勝で相まみえる。
★試合後の吉田雅己のコメント
「あまり残念と思うところは正直ない。自分の力を全部出せたかなと思います。昨年は初めての準決勝で頭が真っ白になって、悔いの残る準決勝でしたけど、今日は出し切って負けたので悔いはないです。やっぱり及川選手は簡単にミスをしてくれない。1本取るのに労力を使うというか、それがレベルが高いなと感じていた。
Tリーグで2戦やったんですけど、どちらも0−3で、同じような試合展開で負けた。今日も負けてしまったんですけど2ゲームは取れて、これまでより良い試合ができた。今回は本当に楽しくやろうというか、去年は考えすぎてナーバスになってしまった。今年は勝っても負けても自分のプレーを出し切って、楽しくやろうという考えでした。
正直、ぼくはあまり認められないというか、プレーも地味なのでなかなか評価してもらえないんですけど、2大会連続ベスト4に入れたので、少しは評価してもらえるかなと思っています。今日の準決勝は勝ち負けが大事ですけど、自分の卓球では世界で戦えないと思っていて、準決勝では世界で戦えるプレーをしたいと思って臨みました。やはりバックハンドの技術がまだまだです。及川選手のようなバックハンドの技術力がぼくにはないし、もっとトライしないといけないと思っています」(吉田)
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