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中国リポート

全中国運動会・女子単。終わらないライバルストーリー、王曼昱が孫穎莎を下して2連覇

上写真:全中国運動会の女子シングルスで、史上4人目の2連覇を達成した王曼昱(写真は25年中国超級リーグ/写真提供:ピンパン世界)

11月16日に行われた第15回全中国運動会・卓球競技の女子シングルス決勝。戦前の予想どおり、まるで定められた運命のように現・女王の王曼昱と現・世界女王の孫穎莎が決勝のコートに立ち、4−2で勝利した王曼昱が2連覇を達成した。
女子シングルスの結果は下記のとおり。

〈女子シングルス〉●1回戦
劉煒珊(天津市) −3、8、9、8、10 袁雪矯(河南省)
范思琦(山東省) 5、6、7、−9、−9、−6、9 朱成竹(香港)
●2回戦
孫穎莎(河北省) 4、4、9、9 劉煒珊
王暁彤(山東省) 6、10、11、7 朱思冰(湖南省)
劉斐(遼寧省) 8、9、5、9 杜凱琹(香港)
陳熠(上海市) 8、8、4、3 楊詩璐(広東省)
朱雨玲(マカオ) 9、9、−8、−7、10、2 孫芸禎(山東省)
李雅可(北京市) −5、−9、10、11、−9、7、6 石洵瑶(江蘇省)
臧小桐(河北省) 3、12、−4、9、9 范姝涵(黒龍江省)
陳幸同(遼寧省) 3、6、4、−7、10 馬小惠(上海市)

陳夢(山東省) 5、5、3、7 孫銘陽(上海市)
何卓佳(河北省) 9、6、5、4 朱培育(西蔵自治区)
胡麗梅(湖南省) −12、9、3、−6、−10、8、6 縦歌曼(広東省)
蒯曼(江蘇省) −10、10、6、6、−8、7 斉菲(天津市)
王芸迪(遼寧省) 4、9、4、5 張翔宇(北京市)
楊屹韻(上海市) −5、−9、−7、9、7、5、8 王添芸(河北省)
銭天一(江蘇省) 5、3、2、6 関卓琳(マカオ)
王曼昱(黒龍江省) −6、8、6、11、−10、−9、12 范思琦
●3回戦
孫穎莎 4、5、7、−8、4 王暁彤
劉斐 −5、10、8、5、−7、7 陳熠
朱雨玲 −12、−7、12、8、11、9 李雅可
陳幸同 3、3、6、−13、7 臧小桐
陳夢 9、8、10、10 何卓佳
蒯曼 4、5、8、−9、5 胡麗梅
王芸迪 5、7、7、5 楊屹韻
王曼昱 1、4、5、−10、11 銭天一
●準々決勝
孫穎莎 1、7、4、9 劉斐
朱雨玲 6、7、−3、−5、9、3 陳幸同
陳夢 −5、−8、8、12、6、9 蒯曼
王曼昱 4、8、−6、3、6 王芸迪
●準決勝
孫穎莎 −9、4、10、11、6 朱雨玲
王曼昱 4、10、3、9 陳夢
●3位決定戦
陳夢 9、−6、11、10、7 朱雨玲
●決勝
王曼昱 −7、8、10、4、−14、9 孫穎莎

女子シングルスは2回戦で、世界ランキング13位の石洵瑶がゲームオールで惜敗。続く3回戦では、世界ランキング9位の陳熠や25位の銭天一、30位の何卓佳らが姿を消した。

大きなヤマ場となったのは準々決勝。陳夢と朱雨玲という、かつてライバル関係を築いた「サーティーズ(30代)」コンビが躍動した。2・3回戦で得意とするバック表の異質型を破って勝ち上がった陳夢は、左腕・蒯曼にゲームカウント0−2から4ゲーム連取で逆転勝利。朱雨玲は陳幸同との両ハンドの駆け引きで一日の長を見せ、こちらも4−2で勝利した。

開催地のマカオから出場した朱雨玲は、2017年大会の女子シングルス3位。優勝した丁寧と準決勝で激戦を演じ、惜しくも敗れた。今大会は準決勝で孫穎莎、3位決定戦で陳夢に敗れて4位となり、表彰台に立つことはできなかったが、8年ぶりのカムバックに拍手を送りたい。

そして決勝は、前回大会に続いて王曼昱と孫穎莎の対戦となった。この2年間で、ふたりは国際大会の決勝で実に9回対戦しており、対戦成績は孫穎莎の7勝、王曼昱の2勝。2024年は孫穎莎が4連勝していたが、今年2月のアジアカップと10月のチャイナスマッシュ決勝では王曼昱が勝利し、盛り返しつつあった。

お互い、手の内は十分すぎるほど知り尽くしたふたり。互いに1ゲームを取り合った3ゲーム目、孫穎莎が10−8でゲームポイントを握るも、王曼昱がバッククロスのラリーで強さを見せ、4点連取で逆転。4ゲーム目も2−2から6点連取で突き放し、ゲームカウント3−1と勝利に王手をかける。

気迫あふれるプレーで、決勝の中盤で主導権を握った王曼昱(写真は25年中国超級リーグ/写真提供:ピンパン世界)

5ゲーム目は孫穎莎が8−3とリードを広げるも、王曼昱が9−9で追いつき、12−11、13−12、14−13と3度のチャンピオンシップポイントを握る。しかし、孫穎莎が鉄壁の攻守で跳ね返し、絶体絶命のピンチをしのぎ切って16−14。孫穎莎は6ゲーム目も8−2と大きくリードし、最終ゲームに持ち込めば有利かと思われた。

しかし、王曼昱はここから驚異の8点連取で10−8と逆転。より威力を増したバックドライブに加え、思い切ってフォアで回り込む積極性を見せた。最後は渾身のバックドライブを決めて11−9。自らの2連覇を祝うように、両手を高々と突き上げた。

王曼昱と孫穎莎。ふたりの決勝での対決を初めて見たのは、2017年にイタリアで行われた世界ジュニア選手権。ゲームオール14−12という大激戦で孫穎莎が勝利した。それから8年、ふたりのライバルストーリーはまだまだ終わらない。3年後のロサンゼルス五輪が、五輪初優勝を懸けた決着の舞台となるのか、それとも……?

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