堀内:そうですね。このような大きい大会を誘致したのは、2年後の2025年に行われる滋賀国スポに向けて、選手強化だけでなく、競技役員や審判員にも経験を積んでもらいたいというのがあります。競技役員には大会運営のやり方を勉強してもらいたいし、審判員は今回だけでなく大阪オープンや全日本選手権などにも派遣して、経験を積んでもらっています。
特に経験が必要なのは審判員ですね。講習を受けてもらって、上級の審判員もかなり増えてきましたが、大阪オープンや全日本選手権などに派遣して経験を積ませてもらっています。
−全日本選手権団体の部は、国スポのリハーサル大会として前年に開催県で行うのが通例になっていますが、それ以外にも積極的に大会を開催しているのはすごいですね。
堀内:全国高体連時代に、高校選抜など関係する大会はほとんどやってきましたが、やはり国民スポーツ大会というのはちょっと格が違う大会です。強化費も大きいし、このプロシードアリーナや全日本学生選手権を開催したYMITアリーナをはじめ、立派な体育館もたくさんできた。大津にできた滋賀ダイハツアリーナは大きな体育館で、これから滋賀にも大きな大会を誘致できます。
−滋賀国スポも開催が2024年から2025年に1年延期され、選手強化では難しい部分があったと思います。
堀内:滋賀国スポに向けた選手強化は、2024年に高校3年になり、少年の部に出場できる小学生の子どもたちを「ターゲットエイジ」として9年前からスタートさせています。
大阪の堺市と姉妹都市だった中国の都市から、ジュニア選手が来日して滋賀県に滞在したのが縁になって、中国とも交流を重ねてきました。2回目の交流大会には、中国から80人くらいジュニア選手が来ましたし、私もこれまでに5〜6回は中国に行って合宿や強化練習を行ってきました。その世代が今は高校2年ですが、2年後の国体では卒業してしまう。高校では他府県の強豪校に進学する子どももいるし、難しいところですね。
それでも県内のクラブで、小さい頃から腕を磨いている子どもたちは確実にレベルアップしているし、近畿では戦えるようになってきた。そういう子どもたちを強くして、今後は国体で成績を残したいし、滋賀県のレベルアップを望みたいですね。
●堀内が現在こなしている仕事は、「質・量」ともに誰にでもできるものではないだろう。「私のあとは誰がやるんですかと、皆さんによく言われます」と堀内は笑うが、周囲の心配も無理からぬところだ。
理事長として滋賀の卓球界の強化や発展を考えながら、事務局長としては「選手の立場で、必要なものをすぐ提供する。選手の不安を取り除く」ことをモットーとする。くれぐれも体には気をつけながら、ひとつの区切りとなる2年後の滋賀国体に向け、活躍を続けてもらいたい。
●PROFILE ほりうち・やすひろ
1957(昭和32)年1月13日生まれ、滋賀県出身。伊吹山中3年時に全国中学校大会で団体ベスト16、彦根工業高3年時に近畿大会学校対抗準優勝、インターハイ学校対抗ベスト16。母校の彦根工業高で長く卓球部を指導し、全国高体連・卓球専門部で副理事長を務め、現在は(一社)滋賀県卓球協会の理事長と事務局長を兼任
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