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【全中卓球】高知での激闘が明日開幕。部活動のみで全国出場の夢を果たした、あいの里東中

 「第54回全国中学校卓球大会」が、高知県立県民体育館で、明日(8月23日)から試合開始となる。本日22日は練習日で、全国から集った中学生たちが明日の試合へ向けて県民体育館で汗を流した。

 北海道代表として女子団体戦に出場となる「札幌市立あいの里東中」(写真)は、部員全員が中学校から卓球を始めた、純粋な部活動としての初の全国出場だ。顧問の久保村泰輔先生(写真右)が、前任の札幌元町中で2年連続団体出場後に、現在のあいの里東中に転任し、卓球部顧問として6年目で、再び全国大会出場を果たしたことになる。守備型を中心としたメンバーで、3年生がメインだが、卓球を始めて1年強の2年生1名も団体戦メンバー入りを果たした。

 以前は年間1500時間の練習時間を確保することで、純粋な部活動による全国出場を狙っていた久保村先生。しかし部活動の制限により週2回は休みにする必要が出てきてからは、「もう全国出場は無理かも」と考えていたという。

 「練習時間が限られる中でも、生徒たちが3年生最後の中体連の試合で目標を達成できるように、やみくもに練習するのではなく、最短で強くなることを考えて指導を続けてきました。ただ、勉強や習い事などと卓球を両立することも大事です。全国出場は難しいかもしれないけど、それでも頑張ることに意義があるかなと思っていました。

 そのような中、去年は地元・北海道開催ということもあり、出場まであと1歩までいった。そういう先輩たちの熱意が、伝統として下の代に伝わった。コロナ禍で試合自体がなくなった時期の卒業生も練習に来てくれたりして、今年のメンバーは先輩たちの思いを引き継いで頑張ってくれました。本当にみなを褒めてあげたいです。

 部活動が縮小の方向にありますが、中体連の試合に来ると「やっぱり部活っていいな」と思いますね。中学から始めて卓球を頑張れるような場が、いつまでもあればいいなと思っています。日本一を目指すチームもあれば、全国大会出場を目指す部活もある。それぞれがあって良いんじゃないでしょうか」(久保村先生)

 全中大会では、小学生時代からクラブチームで卓球を続けてきた選手が揃う学校の割合が、ますます高くなる傾向が続いている。さらに今大会からは、クラブチームでの出場も可能となった。部活動のあり方自体が変化している昨今だが、日本独自の文化として発展してきた部活動が、卓球を始めるきっかけとなる大きな存在であることに変わりはない。

 チャンピオンシップ大会として臨む選手、卓球歴2年強で夢の舞台に立った選手、いずれもが一堂に会する「全中」。その熱い3日間の戦いが、明日開幕する。

★第54回全国中学校卓球大会 公式サイト

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