石川・とり野菜みそ BLUECATS ARENA(ブルーキャッツ・アリーナ)で開催中の2024年全日本選手権(マスターズの部)は大会3日目が終了。男女ともローシックスティ(60歳以上)、ハイシックスティ(65歳以上)、ローセブンティ(70歳以上)の各年代でチャンピオンが誕生した。各種目のメダリストは下記のとおりだ。
〈男子ローシックスティ〉
優勝:華原張(東京 KING KONG・東京)
準優勝:田中敏裕(九十九・東京)
3位:森下正(流山アストロズ)、佐藤計(成田クラブ)
準決勝で元日本リーガーの佐藤、決勝で現王者の田中との大激戦を制した華原が、フィフティで優勝した2019年大会以来の出場で頂点に立った。どの試合もエッジやサイドが多かったが、それだけ厳しいコースを狙っているということ。相手の逆を突き、待ちを外す多彩な球さばきはまさに達人の域だ。
〈女子ローシックスティ〉
優勝:謝春英(スマイル・東京)
準優勝:笹川伊都子(長吉卓球センター・大阪)
3位:清家令子(イズモクラブ・島根)、山内博美(サクセス・愛知)
元中国代表の謝春英が昨年度大会に続いて2連覇。「右打ち・左押し」の伝統的なペン表速攻スタイルで、フォア強打の精度とバックショートの安定性は抜群だった。「今大会は少し遠いし、体調も良くなかったので出場するかどうか迷いましたけど、震災復興の支援大会ということで、私も心を込めて応援に来ました」と女王の風格を示した。
〈男子ハイシックスティ〉
優勝:坂本憲一(COLOR・神奈川)
準優勝:水越信夫(桜卓球クラブ・三重)
3位:花木友明(花木卓球クラブ・沖縄)、石谷悟(エクシード・東京)
準決勝・決勝も1ゲームも落とさず、坂本がハイシックスティで3連覇、マスターズで通算20回目の優勝を飾った。圧巻の強さを見せながらも、「今年は1回戦から苦しかった。対戦相手は常に向かってくるし、スコアとしては3−0でも1ゲームでも落としていたら試合の流れはわからなくなりますから」と優勝後のコメント。それでも勝ち切るのが王者たる所以(ゆえん)か。ピッチの早い攻守で相手に連続攻撃を許さなかった。
〈女子ハイシックスティ〉
優勝:大津絵美子(丸亀SC・香川)
準優勝:稲川佳代(JUPITER・東京)
3位:佐々木きぬ子(多賀台クラブ・青森)、坂本久美(COLOR・神奈川)
決勝で稲川(旧姓:菅谷)との元日本代表対決を制した大津(旧姓:神田)が、回り込みフォアドライブからの強力な連打で優勝。「いつも気持ちが弱くて、今大会も自分に負けるなと(自分に)言い聞かせながら試合をしました」と語った大津。普段の練習は「硬式4・ラージ6」くらいの割合だというが、往年のパワーヒッターは未だ健在だ。
〈男子ローセブンティ〉
優勝:長谷川豊信(卓精会・東京)
準優勝:高橋英治(三島ウイングス・愛媛)
3位:川又和雄(石狩クラブ・北海道)、広浜泰久(神馬クラブ・東京)
2019年大会でハイシックスティを制した長谷川が、ローセブンティで初優勝。逆境に陥っても常に勝利への意欲を前面に出し、決勝では高橋にゲームカウント0−2から逆転勝利。「優勝の秘訣は技術ではなく体力と気力。あきらめない心と平常心ですね。また精進して参ります」(長谷川)。
〈女子ローセブンティ〉
優勝:船ケ山昌子(サクセス・愛知)
準優勝:粟生京子(冠雲・東京)
3位:日下部鈴子(チャイム・神奈川)、島田美鈴(淑友クラブ・東京)
準決勝で島田、決勝で粟生という優勝経験者をストレートで破った船ケ山がローセブンティで初の戴冠。フォアに飛びつきざまに、サイドを切ってフォアクロスに打ち込むフォア強打が光っていた。準決勝・決勝のベンチにはパリパラリンピック代表の八木克勝が入り、優勝できた理由については「ベンチかな(笑)。そういうことにしとくわ」と笑顔でコメントした。
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