新型コロナのパンデミックから卓球のWTT(ワールドテーブルテニス)シリーズという国際イベントも少しずつ行われはじめている。
2月にWTTコンテンダー(オマーン)、3月にグランドスマッシュ(シンガポール)、WTTスターコンテンダー、WTTコンテンダー(ドーハ)。そして現在ペルーのリマとクロアチアのザグレブでWTTが行われている。
しかし、先月にWTTは7月にハンガリーのブダペストで「グランドスマッシュ」(賞金総額200万ドル/約2.7億円)を開催すると発表したばかりだったが、昨夜、グランドスマッシュから「WTTスターコンテンダー」(7月11日〜17日)と「WTTチャンピオン」(7月18日〜23日)に変更すると発表した。
グランドスマッシュは、WTTとしてはテニスのグランドスラムのような位置づけにしたかった大会。それを大会3週間前にして異例の変更となった。
そもそもグランドスマッシュは賞金込みの大会運営費は約10億円かかると言われていて、この規模は世界選手権並のものだ。卓球王国6月21日発売号では宮﨑義仁・日本卓球協会強化本部長がこう語っている。
「日本にも(WTTのグランドスマッシュ級の)開催の要請が来ています。日本政府や自治体に掛け合って10億円規模の運営費を出してくれという指示が来ていますが、政府に申請したり、自治体に対してお金を出してくれという関係性や力は残念ながら私たち協会にはない」(宮﨑)。
WTTはハンガリー政府、ブダペスト市からお金を出してもらうように働きかけたと言われているが、ハンガリーの関係者から聞こえてきたのは、あまりにも時間のない中で合意形成のないまま強行開催しようとしたという話だった。10億円規模の事業が数カ月で決定したり、動いていくとは到底思えない。
結局、グランドスマッシュと銘打っていた大会は、「WTTスターコンテンダー」と「WTTチャンピオン」になり、このような拙速なやり方に世界の卓球関係者は不安と不満を持っている。
*6月21日発売の卓球王国では宮﨑義仁強化本部長のインタビューが掲載されます
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