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【PICK UP】バタフライ/硬さと吸収、変化と安定。 ターコイズグリーンが 二律背反を打ち崩す

<卓球王国2022年2月号より>

 

硬さと吸収、変化と安定。

ターコイズグリーンが

二律背反(にりつはいはん)を打ち崩す

 

 粒高界で話題騒然……とは言い過ぎかもしれないが、バタフライ渾身の粒高『イリウス』シリーズが注目の的になっている。バタフライも弊誌(2021年)12月号で見開き広告を出しており、力の入れ具合は本気だ。

 前号紹介の『イリウスS』は主にカットマン用、そして今回の『イリウスB』は前陣攻守用という。まずは両者の違いについて整理しよう。SはSpin、BはBlockが由来。どちらもルールの範囲内で最も細長い粒形状で、トップシートは完全に同じだが、スポンジが異なる。『S』の「アブソーバー スポンジ ヘビー」は特に衝撃吸収が優れており、若干軟らかいため、カットが安定。自分から思い切って回転をかけるスイングができることから、切れたカットも可能だ。一方『B』の「アブソーバー スポンジ ドロップ」は、より変形しづらい材料を使用したうえで、より硬い設計。そのため打球時に粒が大きく倒れたり、つぶれたりしやすく、前陣でのブロックやプッシュに変化が出やすい。また若干弾みが良く攻撃もやりやすいため、前陣攻守に向くのだ。

 この『イリウス』シリーズのミソは、まさにこのスポンジにある。単なる硬度違いではなく、材料も異なり、性質を差別化した2種類のスポンジを用意した点に、バタフライのこだわりがある。どちらも硬めのスポンジながら、独自の配合技術により、衝撃を吸収する特性があるのがポイントだ。粒高ユーザーは「硬いが弾まないラケットが粒高の変化を生む」と考えてきた。その理想をスポンジに込めて製品化したのが『イリウス』なのだ。

 特に『イリウスB』は、プレー全般が非常にやりやすい中で、ブロックも十分に切れるラバー。勝手に滑って変化が出るというより、自らコントロールが可能なタイプで、守備一辺倒ではない多彩な前陣攻守ができそうだ。かなり硬めの「超極薄」スポンジが用意されているので、一枚ラバー愛好家も違和感なく使える点もうれしい。

 硬さと吸収、変化と安定という、両立が難しい要素を、高いレベルで兼ね備えた『イリウスB』。プレーヤーの意思を込めた自在な攻守をしたい粒高選手に試してもらいたい一枚だ。

『イリウスS』より3度硬い硬度48(バタフライ基準)の「アブソーバー スポンジドロップ」を採用

 

 

バタフライ

イリウスB

●粒高ラバー

●¥2,970(税込)

●厚さ:薄・極薄・超極薄

 超極薄のみ¥3,520(税込)

●㈱タマス お客様サポートセンター

 0120・600・731

 https://www.butterfly.co.jp/

 

photo >> Yoshinori Eto

text >> Hiromoto Takabe