卓球王国 2025年4月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
トピックス

「ラリーをすれば、言葉が通じなくても仲良くなれる」。第4回 中国文化センター杯卓球大会を東京武道館で開催

 4月30日に東京・東京武道館で行われた「第4回 中国文化センター杯 招待卓球大会」。このイベントは東京・虎ノ門にある中国文化センターが主催する交流大会で今回が4回目の開催となった。

 中国文化センターは日本に書道や美術などの中国文化を紹介し、両国間の文化交流のプラットフォームとなり、相互理解と友好協力関係構築の架け橋となることを目的に設立。「文化センター」ではあるものの、数年前からニッタク契約コーチの鄭慧萍さんが中国文化センターで期間限定で卓球教室を開催するようになり、それをきっかけに年1回大会を行うようになった。センター長を務める羅玉泉さんは中国文化センター杯についてこう語る。

中国文化センター杯だけあり、書も見事

 

 「もともとはコロナ禍で運動をする機会が減り、卓球であればそんなに大きなスペースがなくてもできるということでセンター内に卓球台を置いて、鄭コーチに教室を開催してもらうようになりました。やり始めたらやっぱり楽しいし、何か目標があって取り組んだ方がより楽しいと思い、大会を行うようになったんです。

 センターにはさまざまな文化関係の団体が集まっていますが、それぞれの分野を越えて交流できるイベントとしても卓球はピッタリだと思いました。年齢に関係なく簡単に楽しめて、健康促進にもつながる。中国でも日本でも、卓球はみんなにとってポピュラーなスポーツだし、同じルールのもとでラリーをすれば、言葉が通じなくても仲良くなれます。卓球を通じた交流の機会をもっと作っていきたいですね」(羅玉泉センター長)

小さい頃から卓球に親しんできたという羅玉泉センター長

 

 これまでは中国文化センター内で大会を開催してきたが、参加者が増えてきたこともあり、今回は初めて公共の体育館で大会を開催。鄭さんが主催する「ジャスミン卓球大会」と同じ会場で試合を行った。

 今大会には中国象棋協会、日中青少年文化芸術交流協会、中国文芸連盟、中国書道家協会、中国芸術家協会、東京中国文化センター、中国女性書道家協会、日本山西商工会議所チーム、鄭さん率いるジャスミンシニアチームが参加。メインイベントの団体戦では各チーム中国人、日本人混成の編成で優勝を争った。最後には両大会の参加者による交流試合も行われて盛り上がりを見せていた。当日は両大会の運営に奔走していた鄭さんにも話をうかがった。

団体戦ラストは5点先取の1ゲームマッチ。優勝決定戦もラストにもつれる白熱の試合に

優勝した中国象棋協会

1日の最後には中国文化センター杯とジャスミン大会の参加者による交流試合も開催

 

 「(羅玉泉)センター長がすごくスポーツが好きな方なんです。今回は手術明けで試合には出られなかったけど、前回まではご自身も試合に出場されていました。卓球人としてセンター長がこうした取り組みをしてくれるのはすごくうれしいし、そこに協力できることもうれしい。

 今回は初めてセンターの外で大会を行いましたが、もっと規模を広げて、いろんな方に参加してもらえる大会にしたい。センター杯とジャスミン大会をつなげて、日本と中国の交流に役立てたら良いですね」(鄭慧萍さん)

両大会の運営に奔走した鄭慧萍さん。弊誌で『シニアの卓球上達メソッド』も連載中

 

 海を越えて、世代を越えて、言葉を越えてラリーでつながる日中の交流。中国文化センター杯には、卓球というスポーツの魅力が詰まっている。

関連する記事