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仲村渠功

日本の世界チャンピオン

前回、許招発さんとの懐かしい再会を書いたところ、コメント欄に当時を思い出させる解説を頂きました。オールドファンもブログを見て頂いてると思うと、「今どき風の短いコメントやつぶやき形式、日記形式でなくても良いのだ」と気を取り直しました。 そこで、前回に続き古い話に成りますが、同世代の先輩・後輩の世界チャンピオン達と一緒に行動していた頃「何故チャンピオンに成ったのか?」と思い起こしながら(ラテン情報ではありませんが….!)その特徴を書いてみようと思いました。

当時の世界選手権は団体戦・個人戦を10日間で行っていたので、技術だけでなく体力・精神面を鍛えて大会に臨むということが如何に大変かを体験したものです。その様な時代の話ですが、世界選手権日本代表合宿の練習相手として何回も参加し、また国内外の試合で一緒に参加し感した元世界チャンピオンに対し、簡単に表現しきれないのは当たり前だが僕なりの見方で書いてみるとこの様に成ります。

1967(ストックホルム)長谷川信彦:右シェークハンド一本差しグリップで、粘り強いフォアハンドのドライブとロビングで相手を崩し、3球目攻撃にはジェットドライブと言われたフォアハンドで、バックストレートを打ち抜く技が得意だった。

1969(ミュンヘン)伊藤繁雄:右ペンフォルダーで全面をまさにオールフォアでカバーするかの如く動き回り、バックサイドからシュート回転の豪快なスマッシュを打つ技が得意だった。

1977(バーミンガム)河野満:右ペン表ソフト両ハンド攻撃。中国の速いショートや回転量の多い欧州のドライブに対し、両ハンドでナックル気味に打ち返す技術で相手を崩し、フォアハンドの連続スマッシュで畳み掛ける技。

1979(ピョンヤン)小野誠治:左ペンホルダー。アップ&ダウンのバックハンドサービスから3球目攻撃でループドライブでリズムを崩したり、数本のドライブ攻撃で相手を守勢に追い込み、またショートのブロックを駆使して、得意のカミソリ・スマッシュで得点する技が得意だった。

それぞれの技を大舞台の決勝で使えた事実。一発必中の決定球を打つ為に、相手を崩すサーブやレシーブ技術、守備でもブロックしながら厳しい場所への返球や相手のミスを誘うボール(スピード、回転、コース)で返球し、得意な決定球を使える技はやはり世界チャンピオンとして、誰にも真似出来ない技術を使えた結果だと確信出来ました。

この様に歴代世界チャンピオンの共通点は、常に相手にプレッシャーを与えられる武器で試合をを有利に運んでいることだったのかな?と思える。
「中国に勝つ技術があるのでは?」と思う事を含め書いてみました。

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