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仲村渠功

Copa Tango (アルゼンチン身障者大会)

Copa Tango のCopaコパはスペイン語で「優勝杯、トロフィー」これらの争奪戦の意味。Tangoタンゴは世界的に有名なアルゼンチンタンゴのTangoタンゴを大会名の冠に使った大会。中年米では有名な大会で、毎年12月上旬ブエノス・アイレスで行われる“Copa Tango 身障者大会”です。

アルゼンチン卓球連盟が主催するこの大会種目は、知的・精神障害を除く身体障害部門の車椅子と立位(車椅子を使わず立って競技が出来る種目)で、それぞれ障害の重軽度のクラス分けを大会前に確認・判定しクラスを決めます。

クラス分けされたどの選手も様々な状態から工夫したサーブやレシーブ、決定球やブロック等全身を使ったプレーに感動する場面を沢山見ることが出来ます。 重度の選手が行うコート内のボール拾いや、その他諸々サポートが必要とする為のアルバイトの応援依頼を受けることが有りました。 一方、選手には試合を見ることを勧めました。健常者から見れば、不自由な身体から繰り出される打球や上手くボールを操る動きから多くのことが学べるからです。プレー以外でも感動する場面が多く、自分の卓球人生に活かせると確信出来るからでした。

中南米の人々が身障者を含め非力な人達に、自然な振る舞いでサポートする光景をよく見ます。例えば、バス・電車の乗り降りで身障者に手を差し伸べる行為だけでなく、健常者の高齢者・女性・子供を抱えた親子を見つけたら、若者が率先して(声を掛ける迄もなく)当たり前の様に座席を譲る光景を見ます。今の日本ではありえない光景に心が温まる思いをし、反面とても恥ずかしい気持ちになります。

Copa Tangoが多くの人に支持され応援される素地は、この様な心ゆたかな人間性からくるものだと心を打たれました。

 

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