卓球王国 2024年12月20日 発売
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仲村渠功

チリ Valdivia市 での指導

9月1日から指導中の南米バルディビア市は、チリの首都サンテャゴから800㎞南下した教育・文化・芸術で有名な都市に来ています。年間を通して雨が多く日本とは真逆の気候で今は寒さが厳しく、朝の気温は2~3度で暑かった真夏の日本との温度差に気を引き締めて活動中です。

以前チリで2年間指導した時からこの地域の指導要望を受けていたが、今回当地卓球協会がLos Rios州のスポーツ部門に計画を申請、許可され急遽訪問することになりました。協会は4つのクラブからなり、参加選手は8才~18才で約30名。国内年齢別大会で上位に入る選手も何人かいます。

毎回指導開始前に実施する”チャンピオンへの道”として「心・技・体・知」の考え方を親子、指導者に説明します。説明を進める前に1~2年の間の「何年何月何大会でチャンピオンに成る」と覚悟を決めた目標をノートに書かせます。

精神的な部分を伝えるのが一番難しく、一人では強く成れないし、他人との協力や感謝の気持ちを持ち続けることを理解して貰うのに時間が掛かります。なにせ自分のことしか考えない習慣が長く身についているからです。

技術面では従来から一貫して伝えている内容 ①相手より速く攻める ②その為には高い打球点をとらる。この2点の指導です。練習内容を理解し追求すれば「必ず強い選手に勝てる」ことを説明します。考え方の背景には、卓球台から下がりすぎない、ラケットは卓球台の下から上に振らない、ロビングはショーで使うもので試合に勝つ技術でないことを徹底して伝えます。

1ヶ月の指導では技術面で目に見える変化は期待できないが、考え方を変えることはできます。卓球を通しスポーツマンとしての振る舞い方(心)、技術練習、体力強化並びに知識面(試合の進め方、練習方法、反省の仕方、情報分析の仕方)等々他にも沢山ありますが、「チャンピオンに成る」目標を達成するための基本的な考え方を、日々の練習時に繰り返し説明します。

卓球と言う素晴らしいスポーツを通し、技術だけでなく人間的にも向上して貰いたいと思いながらの現地指導です。

 練習開始に当たって選手とその親・指導者への説明会

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