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仲村渠功

在アルゼンチン日本大使訪問

アルゼンチンでの40日間活動終了間際、日本大使館を訪ねて福嶌大使を表敬訪問しました。大使はアルゼンチンの前はサンパウロで公職に就かれ、ブラジル代表でオリンピック6度出場したウーゴ小山(現女子監督)とも卓球をした経験があるとのことで、現在でも時間がある時にはいつでも卓球ができる様にと日本からペンのラケットを持参するほどの愛好家とのことでした。

2017年12月日本政府は草の根文化無償資金協力によってアルゼンチン卓球連盟に日本メーカーの卓球台32台とゴムマット1000平方メートル分を供与し、当地卓球界への強力なバックアップをされました。 今年10月首都ブエノスアイレスで第3回ユースオリンピックが開催されますが、張本選手に会えることを心待ちしていました。 

歓談中大使から過去4年間の指導経緯や今回の活動への労いの言葉を頂き大変恐縮したものです。多方面に亘る情報交換では、現在 特にアルゼンチンに協力しているスポーツとして卓球、柔道、空手、野球を上げられ、特に卓球と柔道は協力効果が出ているとのこと。数有るスポーツの中で卓球を理解される大使と初めてお会いすることが出来、表敬訪問が素晴らしいものとなりました。

さて、「オリンピックの懸橋 ブエノスアイレス~TOKYOへ」プロジェクト40日間の後半活動の報告です。  今回のプロジェクトでITTFとアルゼンチン卓球連盟が選定した支援地域は、ブエノスアイレス近郊の日本語学校2ヵ所とユースオリンピック卓球会場域内テクノポリスの現地小・中学校卓球未経験者への普及活動とパラグアイに隣接の北部ミショーネス州の4ヵ所でした。  特に、普及活動に欠かせない卓球用具一式の卓球台、ネット、ラケット、ボール等々は、卓球競技指定業者インドのSTAGだが、輸入後の手続きに時間が掛かかっており、急遽活動場所の変更を行って北部フフイ州とブエノス・アイレスのクラブチームに指導活動を行った。

 ITTFには開発部門があり、今迄は「発展途上国への技術向上」の目的から活動範囲を広げ、「普及活動で基本知識や用具不足場所の開拓」がスタートしたばかり。今回は同じアルゼンチン内でも、技術強化の必要と普及活動の2点を組み合わせた活動となった。

 日本の様に低学年・低年齢から競技目的で始める子供達とその親とは違い、今回の活動の半分は、卓球に関わったことが無い7~15才の子供達、先生達に「如何に卓球というスポーツを知って貰い、楽しくそして競技の道に誘う活動」が大切であるか、世界にはまだまだ卓球の魅力を伝達する大きな課題が残されていることをつくづく考えさせられた40日間でした。

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