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仲村渠功

第二回 荻村さんの夢

12月11日~13日の3日間「ITS三鷹」織部代表の企画で、昨年に引き続き “第二回荻村さんの夢「スポーツは世界をつなぐ平和運動」” が行われました。同時代に活躍された松崎キミ代さん始め、当時活躍された日本選手のチャンピオンの記事や写真等も展示されたこの行事をITTF(国際卓球連盟)のホームページに紹介されました。ITTFで働く榎並さんと同僚でスリランカのリラさん(ITTFの仕事をしながら筑波大学で勉強している人)の素早い対応で発信されました。

内容は次のURLで確認できます(ITTFのホームページでも見れます)。
http://ittf.com/_front_Page/ittf_full_story1.asp?ID=42569&Category=s%5Fclub&Competition_ID=&

初日は荻村さんがITTF会長時代に、南北朝鮮統一チーム「コレア」を1991年千葉世界選手権参加に尽力された平和運動はあまりにも有名ですが、統一チーム「コレア」結成から女子団体決勝で中国を破る迄の46日間を映画化した物語です。日本語タイトルは「HANA(一つの意味)」ですが何回見ても感動する映画です。

2日目はTV番組「知ってるつもり」で紹介され、Youtube の “ピンポンさん 荻村伊智朗” で下記のURLからも見る事が出来ますが、卓球人として我々日本人が世界に誇れる偉人の歴史を知る良い機会でした。
https://www.youtube.com/watch?v=2sewNWpeak8

3日目の最終日は、僕のトークコーナー「私の南米卓球指導7年間」でした。
定年後は中南米のどこかで “素晴らしい日本伝統のスポーツ「卓球」” を伝えたい夢を強く持ちました。その夢が叶ってアルゼンチン、コスタリカ、チリの7年間の活動報告ですが、思いは1991年から3年間パナマに駐在した時代にさかのぼるものです。
仕事の余暇を活用し、素朴で純粋なパナマの若い仲間と「卓球連盟の運営について」一緒に考え活動したものでした。当時の青年が20年後に再会した時、パナマの会長に成っていたのも嬉しい思い出でした。

7年間の指導信条は「心・技・体・智」を指導方針として、真摯のスポーツ「卓球」の素晴らしさを伝え、世界に目を向けて欲しいと伝える事でした。 直ぐボールを打ちたがるラテンの人達に精神面を鍛え(ルールを守り、人に感動を与えられるプレーや行動ができ、粘り強い気持ちを持続出来る 等)強くなる選手として如何に大切かを伝え、理解して貰うことが大変だったこと。 考え方の基本、練習内容や勝ち方の基本を伝える時、年令・技量・知識等々でレベルの低い選手が理解できない事も多い為、指導者に理解して貰う講習会や全国を巡回指導(1週間~10日間の合宿)したことを話しました。

トーク最後の質疑応答で「日本が中国に勝つ為にはどの様に考えていますか?」の質問に「日本のトップが中国のトップ4~5人(団体戦メンバー)に勝つためには、国力を上げて強化する事が必要で、選手個人々々の技術調整・強化は当然だが、日本国内に中国選手のコピーを作って練習相手が出来る体制、方法が不可欠と考える」旨応えました。 年齢の低い選手が世界で勝っているだけに、更に日本卓球復活の兆しが大きく成っているだけに一気に逆転出来ないものかと強く思いした。

行事最後のパーティーでは、書籍「ピンポンさん」の主人公上原さんを囲んで海外からステラン・ベンクソン(1971年名古屋大会世界チャンピオン)の息子始め、荻村さんに関係の深い方々が沢山参加されました。
海外のリラさんが発信してくれたニュースですが、我々日本人も日本卓球界の偉人荻村伊智朗さんの功績を風化させることなく、そして日本の卓球界で育った誇りと自信を持って行動出来ればと再認識させられた行事でした。

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