卓球王国はペトラ・ソーリング国際卓球連盟会長の独占インタビューを最新号に掲載。
日本を含めた、各協会や選手からWTT(ワールド・テーブルテニス)への不満や批判が出ていることを会長に伝え、その関係性を問うた。
2020年からスタートしたWTTだが、スタート時からコロナ禍ということもあり、大会開催、運営がスムーズにいかなかった。
それまでに定着していたのITTFワールドツアーやワールドツアー・チャレンジをやめて、
WTTをスタートさせた。
テニスのATPツアーをロールモデルにしたと言われている卓球のWTTは、ITTFグループのひとつで、10月の世界選手権成都大会ではオペレーション(運営や発信)はWTTが行っているが、まだしっかりと機能していない。
2022年はこれまで以下の大会数しか行っていない。( )内は構想段階での大会数。
WTTグランドスマッシュ(4大会)/1
WTTカップファイナルズ(2)/1
WTTチャンピオンズ(8)/1
WTTスターコンテンダー(6)/2
WTTコンテンダー(14)/8
WTTフィーダー(60以内)/8
WTTユース(100以内)/34
コンテンダー以上では構想では全32大会だが、実際に13大会、およそ4割の大会しか開催されていないことになる。コロナ禍という理由だけではない、たとえば開催費用が高すぎるために大会を誘致できないことや、マンパワーの不足なども指摘されている。
昨年11月の世界選手権ヒューストン大会で初の女性会長となったスウェーデンのペトラ・ソーリング氏に話を聞いた。
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●ー1980年代以降、卓球の世界選手権をずっと取材していますが、疑問なのはITTFとWTTの関係です。ひとつのアンブレラ(傘)の中にあると言われていますが、テレビやイベント、今回の世界選手権をWTTが支配しているように見えます。ITTFとWTTはどういう関係性ですか?
ソーリング会長 WTTを始める時にはパンデミックの影響で困難なことが多かったのですが、競技者のためにプロフェッショナルなイベントを今まで以上に数多く設けること、そして賞金を高くしていくことを考えていました。
WTTは営利団体ですが、ITTFは他の国際連盟と同じく非営利団体です。そしてITTFグループという傘の中のひとつにWTTがあり、WTTは100%、ITTFが所有して、作り出したものです。パンデミックによって組織を作っていくプロセスは少し遅くなってしまいましたが、関係者やITTFの役員たちと話し合っています。スポーツとして卓球が成長していくことが重要で、まだ途中段階ですが、私はポジティブに考えています。
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●ー以前はITTF主催のもと、ワールドツアー、プロツアーが定期的に行われていて、わかりやすかった。現在、選手たちもまだ戸惑っていて、(WTTに対して)懐疑的です。すべてが新型コロナのせいではない。
ソーリング会長 あなたの質問の意味は理解しています。私たちは新しいことをやろうとして、新しいシステムを作り上げようとしています。しかも、22年もパンデミックの影響を多く受けました。そのせいで、大会カレンダーをしっかり作ることができなかった。
23年にはより多くの大会を行い、24年は通常のWTTが実施できると思っています。もちろん日本には多くの素晴らしい選手がいるので、WTTイベントを開催してもらえることを楽しみにしています。
私たちは新しいことに挑戦しているので、まずは試験的にでも開催してほしいという気持ちはあります。そのうえでいろいろとイベントを判断してほしい。もちろんすべては完璧にはできていませんが、私たちは注意深く選手とコーチの意見に耳を傾けています。そして、将来完璧な大会カレンダーにすべく改善していきます。
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(インタビューの詳細は卓球王国最新号に掲載)
↓最新号の情報はこちら
https://world-tt.com/blog/news/product/az309
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