張本智和がアジアカップの男子シングルスで優勝!
日本勢では1989年大会の齋藤清以来、実に33年ぶりの男子シングルスV!
タイ・バンコクで開催されている『第33回 ITTF-ATTU 2022アジアカップ』は、19日に大会最終日を迎えた。張本と宇田幸矢、伊藤美誠と早田ひなが登場した男女シングルス準決勝・決勝、そして3位決定戦の結果は下記のとおり。
〈男子シングルス〉●準決勝
林鐘勲(韓国) 9、ー6、10、5、4 宇田幸矢
張本智和 8、ー9、1、9、12 荘智淵(チャイニーズタイペイ)
●3位決定戦 荘智淵 ー6、9、ー9、10、7、9 宇田幸矢
●決勝 張本智和 9、ー7、8、10、2 林鐘勲
〈女子シングルス〉●準決勝
王芸迪(中国) 7、ー6、4、9、5 早田ひな
伊藤美誠 8、ー7、7、6 ー8、7 バトラ(インド)
●3位決定戦 バトラ 6、ー6、7、10、ー4、2 早田ひな
●決勝 王芸迪 ー4、6、ー9、10、9、8 伊藤美誠
男子シングルス準決勝、先に登場した宇田は2021年世界選手権ベスト8の林鐘勲との左腕対決。回転量の多いチキータと鋭いカウンターで、序盤から互角の展開となったが、宇田が10ー9と先にゲームポイントを握った3ゲーム目を落としてから、林鐘勲が優位に立った。林鐘勲の長短を巧みに混ぜるサービスから、コースの読みにくい回り込みドライブで先手を取られ、守備力とブロックからの攻守の切り替えに課題を残した。
一方、張本は41歳の大ベテラン、荘智淵との電光石火のバック対バックを落ち着いて制した。前陣でのフォアハンドの対応力が向上したことで、バック対バックから荘智淵にフォアに回されても冷静に対応し、チャンスボールは打球点の高いバックハンドを叩き込む。「どちらがベテランか?」という試合内容だった。
林鐘勲との決勝に臨んだ張本は、中盤でリードを許した4ゲーム目、8ー10とゲームポイントを握られながら12ー10と逆転。林鐘勲の焦りを見透かすように、最後はナックルサービスでレシーブドライブのミスを誘った。上回転のラリーに強い林鐘勲に対し、チキータの体勢からストップやツッツキをうまく使い、状況に応じて軽打でコースを突くなど状況判断が的確だった。5ゲーム目は出足から一気にリードを広げ、林鐘勲も諦め顔。最後も10ー2のチャンピオンシップポイントで、前陣バックドライブからショートスイングのフォアカウンターで、林鐘勲のフォアサイドを鮮やかに打ち抜いた。
優勝の瞬間、大きく吠えることはなく、自らの力を示すかのように高々と両手を突き上げた張本。表彰式でのインタビューでは、「とても調子が良かったですけど、相手もとても強かったので、試合では良いプレーができました。本当に1試合目からこの決勝までたくさん応援していただき、ありがとうございます。タイの皆さんの応援がぼくの力になりました」と語り、声援を送ってくれたタイの観客に感謝の言葉を述べた。
女子シングルス準決勝では、伊藤が右シェーク・バック粒高のバトラを破り、2004年大会の福原愛以来となる決勝進出。フォアの攻撃力に進境を見せるバトラに2ゲームを落としたが、フォアサイドにサービスを集めてきっちり攻略した。一方、早田は王芸迪に1ー4で敗れ、3位決定戦でもバトラに2ー4と悔しい敗戦。持ち味であるプレー領域の広さ、台から下げられた時の強さを発揮するため、まずはフィジカルを万全な状態にしたいところだ。
伊藤と王芸迪の女子シングルス決勝は、互角の大熱戦。出場選手が少なく、1日の試合数も少ないアジアカップで、伊藤のプレーも本来のキレが戻ってきていた。ゲームカウント2ー1で迎えた第4ゲーム、サービスエースで10ー9としてゲームポイントを握りながら、サービスからの3球目をバックツッツキで返球して王芸迪に狙われ、逆転されたのが惜しまれる。しかし、今回の反省を必ずや次の大会に活かしてくれるはずだ。今はしばし、休養の時か。
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