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【PICK UP】XIOM『36.5ALX i』/どこにでもありそうで、どこにもない。 このインナー、うれしい衝撃だ

<卓球王国2022年6月号より>

 

どこにでもありそうで、どこにもない。

このインナー、うれしい衝撃だ

 

 特殊素材の弾みと、木材の打球感を兼ね備えていると言われるインナーラケット。すでに各メーカーとも定番のラインナップになり、一時期の「インナーブーム」は落ち着いた感がある。

 そんな中、「『インナーラケットなんてどれも一緒でしょ』と思われがちですけど、同じじゃないから出しているんです。このラケットは打ってみてほしいですね」と力強く語る人がいる。XIOMの日本販売元である卓永の鶴高寿さん。筋金入りの用具マニアでもある鶴さんの言葉に乗せられ、この『36.5 ALX i』を打ってみたら、うれしい衝撃を受けた。

 最初のうちは大したインパクトはない。ところがドライブやカウンターでは、自分が思った以上にボールが伸びて、逆に台上では思った以上にボールが収まってくれる。威力を出そうとした時の「飛び」と、細かいプレーでのコントロールの塩梅が絶妙。「打てば打つほど惚れ込む」性能なのだ。

 木材を36.5度で低温乾燥させる独自製法を駆使した『36.5 ALX』のインナーバージョンとして発売されたこのラケット。これまでXIOMには、ヒノキベースでインナーなのに非常に弾む『フィール ZX Ⅱ』や、両面に異なる特殊素材を使用した『アイスクリーム AZX i』など個性的なインナーラケットが揃っていたが、この『36.5 ALX i』はまさに王道。弾みの良いアクシリウムカーボンを使用しながら、打球時のセンサーが鋭敏なのは、じっくり低温乾燥させた木材のなせる業か。

 「ラバーは消耗品ですが、ラケットは自分の体の一部のように使い込んでいくことができます。初・中級の段階からラケットはこれに固定して、ラバーだけステップアップしていくのもアリだと思います」(鶴さん)。なるほど、相当に値は張るが、このラケットなら使い込む価値はある。

 強烈なインパクトはないが、芯は強い。時は4月、桜散る出合いの季節に、思いがけない秀作ラケットとの出合いがあった。

 

アクシリウムカーボンを上板(うわいた)から3枚目、 添芯の内側に配するインナー設計。板厚は5.9㎜と標準的だ

 

XIOM

36.5 ALX i

●攻撃用シェークラケット

●¥22,000(税込)

●木材5枚+アクシリウムカーボン2枚

●グリップ:FL・ST

●板厚:5.9㎜ ●平均重量:88g

●㈱卓永(XIOM日本販売元)

 03・6206・0995 

https://xiom.jp

photo >> Yoshinori Eto

text >> Taro Yanagisawa