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世界卓球2025

今大会屈指のアップセット。平野美宇を破ったラコバチは引退→4年後に復帰から世界卓球でのキャリアハイを更新

 昨日行われた女子シングルス2回戦で平野美宇を4-2で破る金星をあげたラコバチ(クロアチア)。一度は現役を引退し、4年のブランクを経て復帰した29歳が今大会屈指のアップセットを成し遂げた。

 1996年生まれのラコバチはジュニア時代にヨーロッパユース選手権でジュニア女子シングルス準優勝、ジュニア混合ダブルス優勝、ヨーロッパユースTOP10優勝と活躍。欧州女子のホープとして将来を嘱望される存在だったが、2017年に21歳の若さで引退。卓球から離れ、バドミントン、スカッシュなど他のスポーツに励むようになる。

 しかし、世界がコロナ禍で揺れた時期に気持ちに変化が現れ、2021年に4年のブランクを経て卓球界にカムバック。クロアチア国内リーグのアクアスティル・ドゥガレサでプレーを再開し、2023年にクロアチア代表にも復帰。昨年の世界選手権にも2016年大会以来7大会ぶりに出場している。

 「戦術もしっかり準備したし、ウォーミングアップもしっかりして、自分のプレーをしたいと思っていました。世界選手権のようなビッグゲームでは試合を楽しみ、全力で戦うことを心がけています」と平野戦後に語ったラコバチ。これまで世界選手権シングルスでは未勝利だったが、今大会は初勝利から2勝をあげてベスト32に進出。引退、そしてカムバックを経てキャリアハイを更新し続けている。

 ラコバチは3回戦で徐孝元(韓国)と対戦するが、2013年大会の1回戦でも対戦して1-4で敗れている相手。世界選手権で12年越しのリベンジはなるか。

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