7月13〜16日に神奈川・横浜武道館で開催された第92回全日本大学総合選手権大会 団体の部(通称:インカレ)。今大会、初出場ながら予選リーグを通過し、ベスト32に入ったのが名城大(男子)だ。
愛知・名古屋市に構える名城大は東海学生リーグ1部に所属。今でこそ全国大会にも出場する強豪校だが、2年前(2021年)の春リーグ時点では3部最下位だった。
しかし、2021年に強豪・育英高出身の松井颯士が入部。「松井にとって名城大の練習環境は満足いくものではないものだったかもしれないけど、それでも腐らずにチームの雰囲気を作ってくれた」と主将の寒竹秀磨が語るように、松井の入部によってチームが大きく変わり始める。
2021年の秋リーグでは3部1位になり2部昇格、2022年には小笠原宏樹(白子高出身)、筒井優太(育英高出身)らの強豪校出身選手も新たに加入し、その年の春リーグで2部1位となり念願の1部昇格。そして、今年の春リーグで1部5位になったため、創部初となるインカレ出場を決めた。
本戦では筑波大にストレートで敗れるも、東北の強豪である八戸工業大にストレートで勝利して予選リーグを2位で通過。決勝トーナメント1回戦では立命館大に敗れはしたものの、初出場でベスト32に進出と、爪痕を残した。
そんな名城大の特徴は、「卓球を楽しむ」ということ。大学に入って様々な誘惑がある中、練習をすることが嫌にならないように、卓球が嫌いにならないように和気藹々と練習に取り組んでいる。ただ、その中でも目標をしっかり持ち、松井や小笠原のような強豪校出身の選手がいることによって、部員全体の意識が上がり、高校までなかなか結果を出せないでいた選手もリーグ戦で勝利をあげたり、中部日本選手権への出場権を獲得したりと、部員全員で強くなれる環境になっていると寒竹主将は語る。
スポーツ推薦はないものの、持ち前のチーム力を発揮して、インカレ初出場でベスト32と大きなインパクトを残した名城大。選手もベンチも常に全力でプレーする姿には目を引くものがある。来年以降もインカレに出場し、熱い試合を見せてほしい。
「インカレに出場する選手はプレーの質が高く、名城大も競り合える部分もあったけど、これからはより上のレベルと対戦する時の対策をしたい。ベスト32という記録を更新するのは大変なことだと思うけど、来年以降もインカレに出場してベスト16、ベスト8と上を目指していきたい。そして、名城大が伝統的にインカレで上位に進出できるようになれば良いなと思います」(寒竹主将)
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