8月23日より高知県立県民体育館で開催されている「第54回全国中学校卓球大会」(通称:全中)。全中には各ブロック大会で選抜された代表チーム及び代表選手、並びに日本卓球協会の推薦を受けた選手が出場するのだが、それに加え、開催ブロック枠(今回は四国)として団体戦男女各1チーム、開催地枠(今回は高知県)として団体戦男女各1チーム、個人戦男女各2名が出場できる。
今回、高知県の開催地枠として男子団体戦に初出場したのが高知大附属中。1997年全日本選手権混合複準優勝で、早稲田大で腕を磨きながらTリーガーとしても活躍する濵田一輝の母親でもある濵田華奈子さんがコーチを務めている学校だ。
全中初勝利を目指す高知大附属中は、1試合目で足立学園(東京)にストレートで敗れるも、2試合目の高屋中(広島)戦で会心の試合を見せた。
1番で出場した藤田(高知大附属)は川島(高屋)にゲームカウント1-2とリードされる苦しい展開になったが、諦めることなくフルゲームに持ち込むと、最終ゲームを12-10で奪い、チームに流れを引き寄せる。続く2番は敗れたものの、3番のダブルスがストレートで勝利し、全国初勝利への王手をかけた。
4番で出場したのは主将の濵田隼矢。華奈子さんの息子であり、濵田家の三男だ。「意識はあまりしていない」と本人は語るが、フォア、バックともにドライブだけでなくスマッシュ、ミート打ちも多用するスタイルは次男の尚人に、バックミドルにきたボールを体をねじりながらフォアハンドで打球し、豊富なフットワークでボールに食らいつく姿は長男の一輝にそっくり。やや押される場面はあったものの、3-1で勝利し、高知大附属中の全中初勝利を決めた。
第2ステージ(決勝トーナメント)進出とはならなかったが、初出場・初勝利と開催地枠として確かな爪痕を残した高知大附属中。四国ブロックは代表枠が3枠なうえに、強豪・明徳義塾がいるため全中に出場するのはそう簡単ではない。それでも、今回の経験を糧にさらなる成長を遂げ、来年もまた全中でプレーする高知大附属中の姿が見られることを期待したい。
「高知県開催で、開催地枠として出場することができて良い経験になったし、これからの子どもたちの人生の大きな糧になったのではないかなと思います。試合が始まる前に、『ここまできたら自分たちができることをやるしかないね』と話して、ベンチも試合をする子も全員で自分ができることをやるように心がけた結果かなと思います」(大塚監督)
「(全中に)出場するまでが長かったです。ひと枠しかない開催地枠をいろんな学校が狙っていて、そこを高知大附属中がもらったという責任も感じながら臨んだ大会でした。試合前には『この舞台に立っているのはありがたいことだから、1球でも、1分でも長くコートに立てるように粘り強く試合をしよう』という話をしていました。今回全中に出場できたことはとても貴重で良い経験だったと思うし、選手たちもまた出たいと思ってくれたかなと。これからも日々の練習を大事にしていきたいと思います」(濵田華奈子コーチ)
また女子の高知県開催枠で出場となった「高知旭中」(下写真)は、KTTC(神田テーブルテニスセンター)のメンバー3名と、中学の部活動で卓球を始めたメンバー3人(うち1名はKTTCの練習に時々参加)、6人のメンバーで奮戦した。初戦は周東(山口)に勝利し、リーグ1位をかけて上毛(福岡)と対戦。5番までもつれる接戦の末に惜しくも敗れて決勝トーナメント進出はならなかったが、メンバーは清々しい笑顔で団体戦を終えた。
安光凛主将「県大会、四国大会では(明徳義塾、土佐女子など)強豪校との対戦で緊張したが、カットが浮くなど反省点があったが、今日はそれを生かして試合ができた。応援もすごく力になりました。妹(安光歩)とのダブルスでは、私が粒高、妹がアンチを貼っていて、二人で反転を使って変化をつけるプレーを練習してきました。私は3年で最後の大会で強い選手と試合ができたことは良かったし、良い経験になりました」
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