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デフの亀澤理穂、都内で講演。東京2025デフリンピックへの思いを語る

5月29日、東京都・都民ホールにて、ろうあ者(聴覚障がい者)スポーツ最高峰の総合競技大会・デフリンピックに4度の出場経験を持つ亀澤理穂(住友電設)が「デフリンピックのメダル獲得の軌跡と東京 2025 デフリンピックへの思い」をテーマに講演を行った。講演には、オンライン含め、都庁職員ら340名以上が受講し、亀澤の言葉に耳を傾けた。

会場は多くの受講者でいっぱいとなった

亀澤は手話通訳を介しながら、聴覚障がいが発覚した経緯やデフリンピックを目指そうと思ったきっかけなどを丁寧に説明した。

また自身の頭にカメラをつけて撮影した動画を用い、卓球におけるろう者と健聴者との違いも紹介。「目とリズムで判断するしかなく、打球する際に首がブレる。その結果、ボールのスピード、判断力、対応力が変わってくる(遅くなる)」とデフ卓球の難しさを語った。

現在は1児の母でもある亀澤。「もともと視力が2.0あったんですが、子どもの言っていることを読み取ろうとして唇を凝視し続けたせいか、今は0.4まで落ちました」と子育てにも全力で向き合う。

来年には、100回目を迎えるデフリンピックが東京で開催される。本日も練習を3時間ほどしてから講演に臨んだという亀澤は、デフリンピックを「人生をかけてもいいと思うほど大きな大会」と語る。

節目を迎える大会での目標は「メダル3つ以上、そしてどの種目でもいいので金メダルを獲得したい」とのこと。終始笑顔を絶やさない姿が印象的だった亀澤。来年開催される東京2025デフリンピックでは「ママアスリート」としての奮闘と、メダル獲得に期待がかかる。

 

【PROFILE】

亀澤理穂(かめざわ・りほ)

旧姓・佐藤。1990年10月28日生まれ、東京都杉並区出身。平沼ジュニアで小学4年生から卓球を始め、淑徳学園中・高(現 淑徳SC)を卒業し、東京富士大へ進学。2009、2013、2017、2021年とデフリンピック4大会に出場し、団体、個人戦で銀メダル3つ、銅メダル5つを獲得。住友電設株式会社勤務

 

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