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シンガポールスマッシュが閉幕。男子は林詩棟が三冠、女子単は孫穎沙が意地のV

2月9日、シンガポールスマッシュが閉幕。大会最終日(9日)は男女シングルスの決勝が行われ、男子は林詩棟(中国)、女子は孫穎沙(中国)が優勝。全5種目で中国勢が頂点に立った。

〈女子シングルス〉
優勝:孫穎莎(中国)
準優勝:蒯曼(中国)
3位:王芸迪、陳幸同(ともに中国)

先に行われた女子シングルス決勝は、準決勝で王芸迪(中国)とのゲームオールジュースの大激闘を乗り越えた孫穎沙と、王曼昱、陳幸同(ともに中国)ら中国国家チームの先輩を退けて勝ち上がった21歳の蒯曼という対戦カードとなった。

決勝は1-1で迎えた3ゲーム目、相手のフォアを積極的に攻めた孫穎沙が序盤で4-0とリード。蒯曼の前陣での連打に台から下げられても、中陣からコースをついたバックドライブで逆襲するなど、試合巧者ぶりを見せる。

一方、蒯曼もコースの読みにくいフォアドライブを両サイドへ打ち分け、孫穎沙を左右に揺さぶり得点を重ねるも、ラリーで主導権を握った孫穎沙が11-7で奪取。

ラリー戦での安定感は抜群だった孫穎沙

続く4ゲーム目、5ゲーム目も、回転量とパワーを兼ね備えら両ハンドドライブと、レシーブでの対応力の高さでラリーを優位に進めた孫穎沙が連取して勝利。シンガポールスマッシュで2度目の栄冠を手にした。

「蒯曼とはお互い手の内を知る仲。私たちはよく一緒に練習するし、ここ最近での彼女には大きな成長を感じます。今日は自分のパフォーマンスもよかった」(孫穎沙)

準決勝での激闘を乗り越え、決勝で後輩からの挑戦を跳ね除けて栄冠を手にした

 

一方、準優勝の蒯曼は今大会で出場した3種目すべてで決勝に進出し、林詩棟との混合ダブルス、王曼昱との女子ダブルスの2種目で優勝。正確なコース取りとコースの読みにくいフォアドライブを武器に決勝でも善戦し、ポテンシャルを感じさせた。

準優勝の蒯曼。3種目で決勝進出と成長を見せた

 

〈男子シングルス〉
優勝:林詩棟(中国)
準優勝:梁靖崑(中国)
3位:王楚欽(中国)、A.ルブラン(フランス)

男子シングルス決勝は、準決勝で王楚欽(中国)にマッチポイントを奪われながらも逆転で勝利した梁靖崑(中国)と、準決勝でヨーロッパ勢唯一の4強入りを果たしたA.ルブラン(フランス)に4-0で完勝した19歳の林詩棟が激突。

互いに1ゲームずつ奪い合う展開が続き、ゲームカウント2-2で迎えた5ゲーム目。相手コートに突き刺さるような鋭いバックドライブを連発した林詩棟が7-0と大きくリード。

梁靖崑も回転重視のドライブで3点を返すも、林詩棟優勢の状況は変わらず、11-4で林詩棟がゲームを奪うと、続く6ゲーム目もミドルへのボールをフォアドライブでフォアサイドへねじ込んだ林詩棟が6-0と一気にリード。

梁靖崑が2点を返すも、林詩棟の勢いは止まらず11-2で勝利。昨年のチャイナスマッシュに続く、グランドスマッシュでのタイトル獲得となった。

精度の高いバックハンドで試合を制圧した林詩棟

林詩棟は今大会、王楚欽との男子ダブルス、混合ダブルスで優勝し、見事三冠を達成。五輪王者の樊振東(中国)を彷彿とさせる後陣からの力強くも正確性の高いバックドライブは、多くの観客の目に焼きついただろう。

今回の結果により、明日発表予定のシングルスの世界ランキングで王楚欽を抜き、1位に躍り出ることがほぼ確実となった林詩棟。世界王者に上り詰める日もそう遠くはなさそうだ。

男子シングルスを制した林詩棟

準優勝の梁靖崑。準決勝では王楚欽にゲームカウント3-1リードから3-3に追いつかれ、最終ゲームはマッチポイントを握られながらも勝ち切った

なお、各種目入賞者は下記のとおり

〈男子ダブルス〉
優勝:王楚欽/林詩棟(中国)
準優勝:林昀儒/高承睿(チャイニーズタイペイ)
3位:A.ルブラン/F.ルブラン、ドーア/ボウロッサ(ともにフランス)

男子ダブルス優勝の王楚欽(左)/林詩棟

〈女子ダブルス〉
優勝:王曼昱/蒯曼(中国)
準優勝:孫穎莎/王芸迪(中国)
3位:ポルカノバ/スッチ(オーストリア/ルーマニア)、鄭怡静/李昱諄(チャイニーズタイペイ)

女子ダブルス優勝の王曼昱(左)/蒯曼

〈混合ダブルス〉
優勝:林詩棟/蒯曼(中国)
準優勝:松島輝空/張本美和(木下グループ)
3位:黄鎮廷/杜凱琹(香港)、ロブレス/シャオ・マリア(スペイン)

混合ダブルス優勝の林詩棟/蒯曼(後列)。前列は準優勝の松島輝空/張本美和

写真提供:WTT

 

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