明日(2月16日)がレギュラーシーズンの千秋楽となるTリーグ。女子2位の木下アビエル神奈川にとっての最終2連戦が、アリーナ立川立飛で15・16日と行われる。
その初戦の相手は、4位の日本ペイントマレッツ。日本ペイントにとってはこれが最終戦となるが、3位・トップおとめピンポンズ名古屋と勝ち点がわずか1点差。最終戦で勝利して、3位浮上を目指したいところだ。
トップのダブルスは、ここまで5勝1敗の木下アビエル長崎美柚/木原美悠と、4勝2敗の日本ペイント李皓晴/黄郁ウェン。高い勝率を誇るペア同士の対決が、本日の試合の結果を大きく左右する。まずは日本ペイントペアが5本連取でスタートダッシュ。李皓晴が安定した両ハンドドライブとカウンターが光り、第一ゲームを11-9で奪うと、第2ゲームもスタートで3本連取と流れを掴む。長崎/木原の若きゴールデンコンビはややミスが目立つ。そのまま日本ペイントペアが押し切って、貴重な先制点をあげた。「ロングサービスで長崎のレシーブを封じ、木原のサービスに対しても無理せずしっかり入れていった」と日本ペイント三原監督。
しかし2番では、木下アビエル森薗美月が、日本ペイント小塩遥菜の変化カットを見事攻略した。ストップを短くすることに徹しつつ、つなぎのループドライブと決めるスピードドライブをしっかりと使い分け、小塩の横回転ツッツキやカットを封じた。会心のプレーだったと言えよう。これで1-1のタイに。
バックドライブでのカット打ちも随所に見せた森薗
3番は木下アビエル杜凱栞と、日本ペイント馮天薇。世界トップランカー対決に注目が集まったが、馮が充実したプレーで主導権を握り続ける。杜が得意の打球点の早いバックハンドを随所で炸裂させたが、集中力の高い馮は両ハンド連打にミスがない。4本、7本、7本で押し切っての快勝となった。
圧巻のドライブ連打を見せた馮天薇
1-2と後がなくなった木下アビエルだが、木原美悠が踏ん張る。日本ペイント李皓晴に対し、速攻でグイグイ押す展開。李は台から少し距離を取りつつ、しっかりと両ハンドでドライブをかけていくが、木原のバックハンドに押されるラリーが多かった。李が鮮やかなフォアカウンターを見せる場面もあったが、木原が流れを掴んだままストレートで勝利、ビクトリーマッチに突入となった。
高速バックハンドで会心の勝利を見せた木原
5番、ビクトリーマッチに選ばれたのは、長崎美柚と馮天薇。馮が出足から気合十分の猛攻で5-1として、長崎がタイムアウト。しかしさらに馮が3本連取で8-1に。長崎も追い上げたが、馮が11-6で振り切り、日本ペイントにとっての最終戦での3連勝、3位浮上をもたらした。馮天薇の気迫、そして唸るような両ハンドドライブ連打ば素晴らしく、今季は最後の5試合だけの参戦となったが、6勝2敗の好成績でシーズンを終えた。
声を出して気迫のプレーを見せた馮天薇が長崎を圧倒!
「ダブルスが長崎/木原から良く勝ってくれた。小塩は相手がいいカット打ちをする中で、相手の変化に対応して戦術をなかなか変えられなかった。3番の馮天薇は本当にさすが。東京五輪に向けて、人生をかけた卓球スタイルが出来上がっている。4番の李皓晴は負けはしたけどダブルスは本当に頑張ってくれた。そして5番の馮天薇は序盤から声を出して頑張っている姿を見て、選手も卓球スタイルや闘志なども勉強になったのではないか」と三原監督。勝利後のインタビューでは、アウェイにも関わらず熱い声援を送ってくれた応援団からの声援を聞き、涙ぐむ場面もあった。
三原監督は特に馮天薇に対しては、「最後の5戦だけでしたが「私が全部勝つ。私がいるから大丈夫」と言ってくれて、全員が馮天薇から学んでいる。常にマレッツを良くしようとしてくれている」と感謝のコメント。その馮天薇の2点取りの活躍で、最終戦を白星で飾り、また3位に浮上した日本ペイントマレッツ。順位は明日のTOP名古屋の結果次第となるが、来季につながる3連勝での締めくくりとなった。