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中国リポート

棄権者続出の『直通徳班』。男子代表第1号は馬龍、樊振東に3−0で圧勝

2月18〜23日に北京で行われた、世界選手権ダーバン大会(個人戦)の中国代表選考会『直通徳班(直通ダーバン)』。16名が出場した男子シングルスでは、準決勝で梁靖崑を3−1、決勝で樊振東を3−0で破った馬龍が男子シングルスの代表第1号に内定した。

これで馬龍は世界選手権個人戦に初出場した2007年ザグレブ大会以来、実に8大会目の世界選手権個人戦への出場となる(2021年ヒューストン大会は欠場)。グループリーグおよび準決勝・決勝の結果は下記のとおり。

『直通徳班』〈男子シングルス〉●予選リーグ
1組 1位 樊振東/2位 周啓豪/3位 梁儼苧/4位 周愷(途中棄権)
2組 1位 馬龍/2位 徐英彬/3位 徐海東/4位 袁励岑
3組 1位 王楚欽(途中棄権)/2位 劉丁碩/3位 向鵬(途中棄権)/4位 陳垣宇(途中棄権)
4組 1位 梁靖崑/2位 薛飛/3位 林高遠/4位 趙子豪

●準決勝
馬龍 7、5、−3、11 梁靖崑
樊振東 キケン 王楚欽
●決勝
馬龍 8、5、7 樊振東

序盤から、発熱や体調不良による棄権者が相次いだ今回の『直通徳班』。男子では開幕直前に林詩棟、大会初日に陳垣宇、2日目に周愷と向鵬、3日目に王楚欽と次々に選手が発熱でダウン。予選リーグの3組は、最終的に4人中3人が棄権するという異常事態となった。

発熱により、大会3日目に棄権を余儀なくされた王楚欽

林詩棟以外の選手は新型コロナウイルスへの感染は発表されず、「発熱」とだけ報道されているが、国家チーム内でクラスター(集団感染)が発生したことは間違いない。これまでにも国家チーム内ではたびたび新型コロナのクラスターが発生しており、1月のダーバン大会のアジア大陸予選でも、複数の選手が体調不良だったと聞く。棄権をまぬがれ、最後まで戦うことができた選手の中でも、体のコンディションにはかなりの差があったようだ。

棄権者を出しながらも進行した男子シングルスの予選リーグは、樊振東、馬龍、王楚欽、梁靖崑と優勝候補の選手が軒並み勝ち上がったが、波乱があったのは4組。アジア大陸予選のシングルスのエントリーから外れ、この『直通徳班』でのラストチャンスに懸ける林高遠が、梁靖崑に1−3、右ペンドライブ型の薛飛に0−3で敗れ、予選リーグ突破の道を閉ざされている。

シングルスの代表権獲得を目指して懸命に戦った林高遠だが、予選リーグで2敗を喫した

準決勝の2試合のうち、樊振東対王楚欽は王楚欽の棄権により、樊振東の不戦勝。樊振東が体力的にも優位に立ったかに見えたが、予想外のワンサイドゲームで決勝を制したのは馬龍だった。バック対バックで鉄壁のバックハンドの攻守を見せ、ミドルやフォアへの積極的なコース変更で樊振東を揺さぶった馬龍。ハーフロングのサービスで樊振東のチキータの威力を弱め、逆に樊振東のサービスが少しでもあまくなれば、全盛期を彷彿とさせる回り込みパワードライブで打ち抜いた。

全盛期を彷彿とさせるパワードライブを随所で見せた馬龍

やや体重が増えたように見える樊振東の動きは明らかに悪く、体調が万全ではないことを感じさせたが、馬龍の樊振東に対する「絶対の自信」は今も揺らぐことはないようだ。

来年に迫ったパリ五輪。34歳という年齢を考えても、馬龍は団体戦のみを戦う3番手としてエントリーされ、王楚欽とのダブルスを含めた単複2点でチームを支えるのが既定路線に思えたが……。男女を通じても前人未到の大偉業、シングルス3連覇さえ不可能ではないと思えてくる。馬龍、実に恐るべき男である。

世界チャンピオン・樊振東は無念の2位に終わる

3位に入って地力を見せた梁靖崑だが、こちらもまた体重が増えた気が……

※写真提供:すべて『ピンパン世界』

 

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