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正式発表前の「水谷隼、現役続行」に本人は困惑か!?

東京五輪の混合ダブルスで金メダル、団体で銅メダルを獲得した水谷隼と、同じく団体で銅メダルを手にした張本智和が、8月30日に所属先の木下グループ本社でメダル報告会を行った。
木下グループからは報奨金として、金メダルの水谷選手に2,000万円、銅メダルの張本選手には500万円が送られた。使い道を聞かれた2人は揃って「貯金します!」と言ったが、水谷選手は「医療従事者などコロナで大変な方々への寄付も考えています」と感謝の言葉と合わせて話した。

 

東京五輪後の会見やその後のテレビ出演でも「現役引退」を公言していた水谷。
だが、報告会の前に「Tリーグ限定で現役続行」の記事がネットで配信され、そのことについて聞かれると「どうなんでしょうね。記事に出たのならば、そうなのかもしれません」と困惑の表情で語り、「現役を退くという気持ちに変わりはなく、たとえTリーグに出たとしても自分の中では『現役選手としての水谷隼』ではないと思っている。スポット的にTリーグに参戦する可能性はあるが、チームには練習をしていないぼくよりも全然強い選手がいるので、出番はないと思っている」と続けた。

メダル報告会でインタビューに答える水谷選手

 

こうした水谷選手の言葉を聞き、違和感を覚えただけではなく、本人や所属先から正式にTリーグ参戦という発表の場があれば、水谷選手の発言はもっとポジティブなものになっていたのではないだろうかと感じた。
治療法が見つからない目の病気が完治することは難しく、ベストパフォーマンスでのプレーをすることができないため、現役引退を決意した水谷選手だが、卓球界やTリーグ、そして長く応援してくれたファンへの恩返しということで、試合数を抑えながらもTリーグでラケットを振る決意を再び抱いていたのではないか。
そして、そのことを自らの言葉として、会見もしくはSNSで発表したいという気持ちがあったのではないだろうか。長く水谷選手と接し、彼の卓球界とファンを愛する気持ちを知っている者としては、冒頭で書いた報告会での水谷選手の言葉は本意ではないと思っている。

 

機会をつくることができれば、水谷選手本人から今後についてのことを正しく、きちんと聞いてみたい。

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